2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671688
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
星島 秀昭 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10340556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩森 伸一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90291799)
|
Keywords | NO / 蝸牛血流 / L-NAME / L-arginine / レーザードップラー / ラット |
Research Abstract |
一酸化窒素すなはちNOの関与する蝸牛内血流調節機構について考察するために、平成12年よりラットを用いた薬剤投与実験を行ってきた。平成13年までの実験でラットに対し全麻下に中耳骨胞開放し、露出した蝸牛基底回転にレーザードップラー血流計プローブを接触させNO合成阻害剤L-NAMEを全麻下1、5、10mg/kgの各用量で静注投与して投与後の蝸牛血流変化の観察を行った。また局所での蝸牛血流反応を観察するためにその蝸牛正円窓を明視下におき、1%あるいは5%L-NAME溶液2μl滴下する実験もおこなった。その結果、L-NAMEを静注投与した際、蝸牛血流の明らかな低下が観察され、その低下はL-NAMEの用量依存性に強くなっていた。また局所に投与した際でもL-NAME投与により、静注投与時に比べ蝸牛血流の低下が観察された。このことから蝸牛の血流調節にNOが局所およびさらに全身性に作用することで関与していることが考えられた。更に追加実験としてL-NAMEをより低量である0.2mg/kgの用量で静注投与し蝸牛血流変化を観察した。その結果以前行われた実験群に比較して軽度ではあったが平均-13.5%の明らかな血流低下が認められ、それに対して平均8.6%の全身血圧の上昇が認められた。またL-NAMEの投与開始10分後NOの基質であるL-arginine100mg/kgを静注投与したところ、低下した蝸牛血流の平均16.9%の回復が見られた。このことから他用量のL-NAMEで実験して見られた用量依存性の血流反応は今回の追加実験でもさらにそれが確認された。またさらに現在NOの関与する血管弛緩反応をさらに検討するために、重要な反応経路である可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)-サイクリックGMP経路を阻害することで蝸牛の血流反応を観察するため、蝸牛局所にsGCの阻害剤であるメチレンブルー溶液を各濃度滴下してその後の蝸牛血流変化を観察する実験を行っている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Hideaki Hoshijima, Kazuo Makimoto: "Decrease in cochlear blood flow with infusion of nitric oxide synthase inhibitor and its recovery with L-arginine infusion : Comparison with abdominal blood flow and auricular blood flow"Journal of Acuta otolaryngica. 122. 808-815 (2002)
-
[Publications] Hideaki Hoshijima, Kazuo Makimoto, Osamu Noi, Yoshimitsu Ohinata, Hiroshi Takenaka: "Effects of nitric oxide synthase inhibitor on cochlear blood flow"Hearing Research. 171. 32-42 (2002)