2001 Fiscal Year Annual Research Report
培養ヒト鼻粘膜支持細胞における細胞内一酸化窒素動態と細胞内Ca2^+動態の検討
Project/Area Number |
12671689
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
辻 裕之 関西医科大学, 医学部, 助教授 (00155368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 浩己 関西医科大学, 医学部, 助手 (90288803)
久保 伸夫 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70186435)
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Keywords | 培養ヒト鼻粘膜血管内皮細胞 / 一酸化窒素 / 細胞内カルシウム |
Research Abstract |
平成13年度は、培養ヒト鼻粘膜血管内皮細胞以外に、手術時採取したヒト鼻粘膜上皮細胞の培養系の樹立と、上皮線毛運動への一酸化窒素の影響も検討したが、培養細胞での線毛運動の測定には成功していない。現在、ストロボスコピーと新たに購入した画像解析装置を組み合わせ測定系を検討している。昨年度検討中であった血管内皮細胞を用いたfura-2による細胞内カルシュウム濃度とDAF-2による細胞内NO産生量の同時測定の実験系では、ヒスタミンとロイコトルエン負荷に関する実験を行った。我々の実験系におけるヒスタミン負荷時の培養血管内皮細胞の細胞内カルシュウム濃度の上昇は負荷直後から認められるのに対し、NO産生は負荷後10分以上経過してからみられた。NO産生に関しては濃度依存性は明かでなかった。ロイコトルエンに関してもほほ同様の傾向がみられた。培養液中にあらかじめ、リポポリサッカライド(LPS)を加えた場合のNO産生は亢進しており、iNOSの発現が示唆された。 これまでの一連の検討から、鼻粘膜の微小循環は鼻粘膜血管内皮細胞のNO産生能が関与し、アレルギー性鼻炎などにみとめられる鼻閉は血管内皮細胞障害によるNO産生能の低下が一因であると思われた。これまでの報告からは線毛上皮の機能はNOにより制御され、NOはずり応力により血管内皮細胞が、LPS刺激などにより上皮細胞が産生することが示唆される。呼気に排泄される鼻粘膜由来のNOもこの両者が産生すると考えられ、これらの相互関係と病態との門違も今回の研究で明らかにした。
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