2001 Fiscal Year Annual Research Report
鼻アレルギーにおける血小板活性因子の検討およびその分解酵素による治療に関する研究
Project/Area Number |
12671690
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
古川 昌幸 関西医科大学, 医学部, 講師 (00229113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 浩己 関西医科大学, 医学部, 助手 (90288803)
辻 裕之 関西医科大学, 医学部, 助教授 (00155368)
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Keywords | 鼻アレルギー / 血小板活性化因子(PAF) / PAFアセルヒドラーゼ / 誘発鼻汁 / スギ花粉症 |
Research Abstract |
血小板活性化因子(PAF)は強力で多彩な生理活性を有するエーテル型リン脂質でありアレルギーや炎症反応の重要なmediatorとして認識されている。最近PAF分解酵素であるPAFアセチルヒドロラーゼ(PAF-AH)の抗アレルギー、炎症作用が注目され遺伝子工学により合成されたrecombinant PAF-AH (rPAF-AH)が、喘息をはじめとする重篤なアレルギー性炎症モデルに著功する結果が次々と報告されており、一部の疾患に関しては欧米で臨床応用も開始されている。昨年度までに我々は(1)アレルギー性鼻炎患者のヒト誘発鼻汁中にPAF-AHの存在を確認し、それは血漿型PAF-AHであることを証明した。(2)誘発の前後で鼻汁中のPAF及びその分解産物であるLysoPAFを定量した結果、アレルギー性鼻炎の病態において産生されたPAFを実際に鼻汁中のPAF-AHが分解することにより防御的役割を果たしている事を明らかにした。(3)またより直接的なアレルギー反応の場である鼻粘膜をインフォームドコンセントを得た患者から手術的に摘出し、PAF活性を検討、定量し本症へのPAFの関与を明確にすることができた。(4)さらにTDI感作により作製したアレルギー性鼻炎動物の鼻粘膜を経時的に採取し、PAFを定量する事により感作の程度や誘発とPAF量が相関する結果を得、本症の発症、進展にPAFが深く関与している事が示唆された。次年度よりの実験計画として、このアレルギー性鼻炎モデル動物を使った実験系で、PAF受容体拮抗剤やrecombinant PAF-AHの本症に対する抑制効果を検討し臨床症状との関係や投与量、効果の持続時間、副作用等について詳細に検討していく予定である。
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