2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671693
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
松田 素子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生学部, 主任研究員 (40165832)
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Keywords | 内耳発生 / β-カテニン / オリゴデオキシヌクレオチド / 全胚培養 / ラット胚 |
Research Abstract |
1)ラット胚発生期内耳におけるβ-カテニン分布変化の免疫染色による観察 ラット胚(胎生9.5、10.0、10.25、10.5、10.75、11.0、11.25、11.5日)の免疫染色は、抗β-カテニン抗体(Trunsduction Laboratories,Lexington,Ky.,US)を用いて、デービスら(1991)の方法で行い、パラフィンの連続切片を作成し、染色を観察した。 β-カテニン染色は、発生期ラットで偏在していたが、濃い染色が、形態形成に対応するかたちで、一時的に、脳、耳胞、眼胞、体節に見られた。濃い染色は、心臓、端脳の背域の表皮、顎弓、肢芽にも見られたが、これらの染色は胎生11.5日胚でも引き続き観察された。 耳プラコードは、胎生9.5、10.0日胚ではまだ形成されておらず、10.25日胚のロンボメア5/6に対応する頭側表皮の肥厚として認められた。この時期、耳プラコードはわずかに陥入していたが、まだβ-カテニンの染色は見られなかった。耳プラコードが陥入するにつれて、耳窩内面に濃い染色が出現し(胎生10.5、10.75、11.0日)、耳胞形成とともに染色は淡くなった(胎生11.25、11.5日)。 2)ラット全胚培養とアンチセンスノックダウン法の結合 胎生9.5日ラット胚を、β-カテニン遺伝子に対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(5'-CAGGTCAGCTTGAGTAGC-3')を添加したラット血清中で培養した。 2μMを添加すると、耳窩内面の濃い染色は認められなくなった。培養30時間後(胎生10.75日に対応)の全胚のβ-カテニン量を、ウエスタンブロット法で測定すると、対照に比べ、有意に減少していた。
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Research Products
(1 results)