2000 Fiscal Year Annual Research Report
網膜における酸化的ストレス抵抗物質としてのヒスチジン含有ジペプチドの研究
Project/Area Number |
12671695
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神尾 一憲 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10302142)
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Keywords | カルノシン / アンセリン / ヒスチジン / 酸化的ストレス / 抗酸化作用 / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
種々の動物網膜について、免疫組織学的手法を用いてカルノシンの含有量や局在を調べた。対象はアフリカツメガエル、ラット、ニワトリ、家兎、サルである。1次抗体として精製した抗カルノシン抗体を、2次抗体として金粒子標識ヤギ抗ウサギIgG抗体を使用し、銀染色キットにて発色させた。特に染色性の良い標本については、蛍光抗体法も併用し一部において良好な染色を見た。また、抗ヒスチジン脱炭酸酵素抗体を用いた免疫組織学的検査を、光顕にて行なった。この抗体については、電顕での組織学的検査には今のところまだ成功していない。 ラットとニワトリの網膜については、その発生過程における変化も調べた。またこれらに加え、ラットおよび家兎の眼球に光負荷を与え、カルノシンの動態の変化を調べた。また実験的網膜剥離を作成した家兎およびサル眼球についても、同様の分析を行なった。 また、あらたにカルノシンの関連物質であるホモカルノシン、およびカルノシン合成酵素に特異的に反応する抗体の作成・精製に成功した。4羽の白色家兎に抗原物質を繰り返し皮下注射し、固相酵素免疫測定法(enzyme-linked immunosorbent assay;ELISA)を用いて抗体価を測定した。抗体価の十分な上昇を確認後、抗体精製のための採血を行ない、得られた血清よりIgGを抽出し、ペプシンで分解後、F(ab')2分画を集め、アフィニティカラムクロマトグラフィーによって抗体を精製した。精製した抗体の特異性の検証は、ドット・ブロット法およびELISA法にて行なった。精製した抗体を使用し、カルノシン、アンセリンと同様に、種々の動物網膜についてホモカルノシンの局在や、カルノシン合成酵素の局在および酵素活性を調べることに着手している。
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