2001 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障の視神経細胞死の病態機構解明と新しい治療法の確立に関する細胞生物学的研究
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12671699
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
阿部 春樹 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40018875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
白柏 基宏 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (50242417)
福地 健郎 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (90240770)
山本 格 新潟大学, 医学部, 教授 (30092737)
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Keywords | 脳由来神経栄養因子 / 網膜 / 眼圧 / ラット / 緑内障 |
Research Abstract |
ラット慢性眼圧上昇モデルを用いて、網膜における脳由来神経栄養因子(以下BDNF)発現量を蛋白レベルで定量的に解析し新たな知見を得た。 まず実験に用いる適当な週齢のラットを決定するために、正常ラットにおいてBDNF発現量の週齢変化を定量的に解析した。生後14日後ラット網膜においてBDNF量は約5(pg/mg total protein)であったが、その後約3倍(15pg/mg total protein)に増加し、生後1ヵ月後以降は生後18ヶ月齢に至るまで同等のレベルであった。その発現量は大脳新皮質と同等であった。半定量的RT-PCR法を用いたRNAレベルの解析においても同様な変動が見られた。 そこで、ラット慢性眼圧上昇モデルの作成には当教室Ueda et al.(1998)の方法に準じ、BDNFの発現変化が少なかった8ヶ月齢ラットを使用した。局所及び全身麻酔下でラット片眼前房内に墨汁を注入、僚眼は対照眼として無処置とした。7日後、炭素粒子が蓄積した隅角部にアルゴンレーザー光凝固を施行し高眼圧症を作成した。眼圧測定にはpneumatonometerを使用した。眼圧>22mmHgを1週、2週、4週及び12週にわたり負荷したラット実験眼及び僚眼網膜を摘出、蛋白を抽出しBDNF含量を定量的に測定した。その結果、実験眼の対照眼に対するBDNF含量は高眼圧負荷後1週後においては277%、2週後では102%、4週後では59%そして12週後では24%と大きく変動していた。 本研究によって眼圧上昇ラット眼網膜でBDNFが大きく挙動していることが明らかにされた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 須田生英子: "非穿孔性線維柱帯切除術後のレーザー治療と濾過胞の変化"日本眼科学会雑誌. 106. 77-82 (2002)
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[Publications] Shigeo Funaki: "Specificity and sensitivity of glaucoma detection in the Japanese population using scanning laser polarimetry"British Journal of Ophthalmology. 86. 70-74 (2002)
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[Publications] Yasuyuki Suzuki: "Mathematical and Optimal Clustering of Test Points of the Central 30-Degree Visual Field of Glaucoma"Journal of Glaucoma. 10. 121-127 (2001)
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[Publications] 須田生英子: "非穿孔性線維柱帯切除術術後濾過胞の超音波生体顕微鏡所見"日本眼科学会雑誌. 105. 447-451 (2001)
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[Publications] Takeo Fukuchi: "Cell Adhesion Glycoproteins in the Human Lamina Cribrosa"Japanese Journal of Ophthalmology. 45. 363-367 (2001)
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[Publications] Takeo Fukuchi: "Distribution and Expression of Transforming Growth Factor-β and Platelet-derived Growth Factor in the Normal and Glaucomatous Monkey Optic Nerve Heads"Japanese Journal of Ophthalmology. 45. 516-522 (2001)
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[Publications] 阿部春樹: "正常眼圧緑内障"金原出版株式会社. 265 (2001)