2001 Fiscal Year Annual Research Report
脈絡膜新生血管への能動的薬物ターゲティングに関する基礎的研究
Project/Area Number |
12671717
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
木村 英也 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (50252440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (70191963)
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Keywords | 脈絡膜新生血管 / 加齢黄斑変性 / 血管内皮細胞 / モノクローナル抗体 / ターゲティング / 免疫複合体 / CD105 / integrinαvβ3 |
Research Abstract |
integrinαvβ3に対するモノクローナル抗体を用いて免疫複合体を作成し、その効果を培養細胞とラット眼の実験的脈絡膜新生血管(CNV)モデルを用いて評価した。まずデキストランにマイトマイシンCを結合させた薬物複合体(MMCD)を作成した。次にこのMMCDに抗integrinαvβ3モノクローナル抗体(mAb)を結合させた免疫複合体(MMCD-mAb)と非特異的免疫グロブリン(IgG)を結合させた免疫複合体(MMCD-IgG)を作成した。培養ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)に対する増殖抑制効果を評価したところ、抗integrinαvβ3モノクローナル抗体を付けることにより、HUVECに対する増殖抑制効果が増強された。次にレーザー光凝固によりラット眼に実験的CNVを作成した。このCNVにおいても血管内皮細胞にintegrinαvβ3の発現を認め、他の網脈絡膜組織には認めなかった。次に、CNVを認めるラットに対してFITCで蛍光標識した免疫複合体を静注したところ、24時間後でも明らかにCNV部位に蛍光を認め、その集積効果が示された。最後に、ラット眼のCNVに対する抑制効果をみるために、レーザー光凝固2週間目にMMC、MMCD、MMCD+mAb、MMCD-IgG、MMCD-mAbのいずれかを3日間静注し、その効果を蛍光眼底造影検査と組織学的に検討した。その結果、MMCD-mAbのみで有意なCNVの抑制効果を認めた。以上により、抗integrinαvβ3モノクローナル抗体を用いることにより効果的に薬物を送達し、CNVに対し標的指向化することができた。安全性の面で引き続き検討していかなければならないが、CNVに対する治療法として今後可能性があるものと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasukawa H. et al.: "Active drug targeting with immunoconjugates to choroidal neovascularization"Current Eye Research. 21(6). 952-961 (2000)
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[Publications] Kamizuru H. et al.: "Monoclonal antibody-mediated drug targeting to choroidal neovascularization in the rat"Investigative Ophthalmology & Visual Sciences. 42(11). 2664-2672 (2001)
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[Publications] Kimura, H. et al.: "Drug targeting to choroidal neovascularization"Advanced Drug Delivery Reviews. 52(1). 79-91 (2001)