2002 Fiscal Year Annual Research Report
FGF-2結合分子FAPの機能と応用(緑内障術後の再発予防への新しいアプローチ)
Project/Area Number |
12671726
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉竹 佳の 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (00150764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 信夫 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20006787)
福田 正道 金沢医科大学, 医学部, 講師 (70208966)
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Keywords | 緑内障 / 術後管理 / 増殖因子 / FGF / 微小管 / 酵母two-hybrid法 / 細胞分裂 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
緑内障手術蒼での線維芽細胞増殖による流出路の閉塞が再発原因となっている。テノン嚢線維芽細胞の増殖を促進するFGF-2に結合する未知タンパク質FAPを見い出した。 その機能を解明するために、GFPなどのtagとの融合FAPを培養細胞に発現させて、発現の動態を調べた。HeLa細胞で発現させたGFP-FAPは中心体から展開する微小管の一部に重なったパターンを示し、高発現した場合には微小管の束が形成されたと思われる太い曲がった繊維が観察された。微小管の重合、脱重合をひき起こす条件下でもGFP-FAPの局在は変化しなかったことからFAPは微小管を安定化し、束化する作用があることが判明した。 そこで微小管を構成するチュブリンα、βとの結合性を酵母two-hybrid法で検討したが、結果はネガティブであった。しかし同じ手法でFAP同志が強い結合性を示した。種々の欠損FAP遺伝子を作製して検討したところ、N末端側とC末端側が結合することはなく、パラレルな結合と考えられた。 またFAPの微小管結合機能ドメインを欠損変異体を作製して調べたところ、C末端側が重要であることが判明した。 GSTとの融合リコンビナントFAPは不溶性であったが、SDSで可溶化してウサギを免疫し、FAP抗血清を得た。MBP-FAPに吸着させ、GSTで吸収した抗血清を作製し免疫染色、western blotに用いた。その結果は内在性のFAPは細胞分裂期に内在性のFAPが束化した部分(スピンドル等)に存在すると思われた。細胞周期と存在量との関係をwestern blotで調べたが、特に変化は見られなかった。 以上の結果より過剰発現させたFAPは微小管に親和性を示す、PRC1、MIR1と同様に異常に微小管と結合して核周囲に太い曲がった繊維状となっていると考えられた。それに対し内在性のFAPは細胞周期依存的な修飾を受けてその局在部位が変わり、細胞分裂に機能する可能性があると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] SATO, J: "THE EXPRESSION OF VASCULAR ENDOTHELIAL GROWTH FACTOR IN SYNOVIAL TISSUES IN PATIENTS WITH INTERNAL DERANGEMENT OF THE TEMPOROMANDIBULAR JOINT"ORAL SURG. ORAL MED. ORAL PATHOL. ORAL RADIOL. ENDOCL.. 93. 251-256 (2002)
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[Publications] SATO, J: "THE EXPRESSION OF FIBROBLAST GROWTH FACTOR-2 AND FIBROBLAST GROWTH FACTOR RECEPTOR-1 IN CHONDROCYTES IN SYNOVIAL CHONDROMATOSIS OF THE TEMPOROMANDIBULAR JOINT"INT. J. ORAL MAXILLOFAC. SURG.. 31. 532-536 (2002)
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[Publications] FUKUDA, M: "GENERAL PURPOSE ANTIMICROBIAL OPHTHALMIC SOLUTIONS EVALUATED USING NEW PHARMACOKINETIC PARAMESTER OF MAXIMUM DRUG CONCENTRATION IN AQUEOUS"JAP. J. OPHTHALMOL.. 46. 384-390 (2002)
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[Publications] 福田 正道: "抗微生物薬"眼科診療プラクテイス. 5. 26-35 (2002)
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[Publications] 高橋 信夫: "投与方法"眼科診療プラクテイス. 5. 24-25 (2002)
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[Publications] 高橋 信夫: "マイトマイシンC併用緑内障濾過手術の功罪"金医大誌. 27. 102-107 (2002)