2000 Fiscal Year Annual Research Report
増殖性硝子体網膜症での細胞外マトリックス分解酵素を用いた硝子体手術への応用,評価
Project/Area Number |
12671729
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松村 美代 関西医科大学, 医学部, 教授 (30144380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤関 義人 関西医科大学, 医学部, 助手 (30330202)
弓削 堅志 関西医科大学, 医学部, 助手 (10247942)
西村 哲哉 関西医科大学, 医学部, 助教授 (30156111)
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Keywords | 硝子体 / 硝子体手術 / 内境界膜剥離 / ICG染色 |
Research Abstract |
残存硝子体をなくするために黄斑円孔には,近年内境界膜の剥離が行われるようになったが,その手技は難易度が高い.そのために内境界膜をICG(インドシアニングリーン)で染色する方法が報告されているが,その染色が網膜にあたえる影響についてはわかっていない.現在,臨床の場においてPharmacological vitrectomyとして行われているICG染色の安全性について研究,検討する. 今回,我々は有色家兎に対し経毛様体扁平部水晶体切除術,経毛様体扁平部硝子体切除術を施行した後,実際,手術に使われているICG2mg/mlの濃度で眼球内に注入し,3分経過させ,その後眼内環流液にて洗浄した後眼球摘出し. frozen sectionを作成し,下記の染色をし,網膜障害について検討した. 1)トルイジンブルー染色:染色していない網膜とICG染色した網膜とでは差が見られなかった. 2)ヘマトキシリン・エオジン染色:染色していない網膜とICG染色した網膜とでは差が見られなかった. 3)タネル染色:染色していない網膜とICG染色した網膜の両方でアポトーシスを示す染色は見られなかった. 以上のことより,現在のところ内境界膜のICG染色は網膜に影響していない可能性が考えられた. 今後の予定として 1)現在までの結果のn数を増やす. 2)電顕にて詳細に網膜障害を確認する. 3)ICGの濃度,眼内留置時間を変化させ,それぞれの状況での網膜障害を観察する. 4)赤外線顕微鏡を使いICGの網膜への深達度をそれぞれの濃度,暴露時間で観察する. 5)内境界膜を剥離した後ICGを暴露させ,網膜障害を観察する. 以上のことをまとめて論文にする.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Otani A,Matsumura M, et al: "Angiotensin II - stimulated vascular endothelial growth factor expression in bovine retinal pericytes."Invest Ophthalmol Vis Sci.. 41. 1192-1199 (2000)
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[Publications] Mizoguchi T,Matsumura M, et al: "Surgical effects of combined trabeculotomy and sinusotomy compared to trabeculotomy alone."Acta Ophthalmol Scand.. 78. 191-195 (2000)
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[Publications] 石郷岡均,松村美代 他: "黄斑円孔硝子体手術後の視野欠損に対する予防対策"眼科臨床医報. 94. 1244-1247 (2000)
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[Publications] 杉本琢二,松村美代 他: "虹彩隅角新生血管を伴わない増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術後の長期経過"臨床眼科. 54. 1725-1729 (2000)
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[Publications] 西信昭子,藤関義人,松村美代 他: "白点状眼底に生じた血管新生黄斑症"臨床眼科. 54. 1772-1774 (2000)