2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671733
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
渡部 眞三 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生理学部, 主任研究員 (10093486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 智満 大阪大学, 大学院・医学系研究科・情報生理, 助手 (70314309)
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Keywords | ネコ / 網膜神経節細胞 / 視神経再生 / 軸索伸長速度 / α細胞 / プロテオグリカン / Neuroglycan C / 逆行性標識 |
Research Abstract |
1.軸索伸長速度の推測 末梢神経移植で軸索を再生した,ネコ網膜神経節細胞(RGC)の数は5千以下である.再生細胞数を増やす手段の一つとして,再生軸索の伸長速度の促進が考えられ,そのための基礎データとして軸索伸長速度を推測した.視神経断端に末梢神経を自家移植して4,6,8週後に,接合部から10mmと20mmの部位に異なった蛍光色素を注入して,再生RGCを標識した.10mm以上軸索を再生したRGCの数の増加は,6週でほぼ止まった.10mmと20mmに注入した蛍光色素で標識されたRGCの二重標識の割合のグラフから,再生速度は最速:1.3mm/日,最遅:0.27mm/日,の値が推算された,RGCのタイプによる再生速度を推測したところ,α細胞の軸索再生速度が高い可能性が示唆された. 2.再生神経節細胞におけるNeuroglycan Cの発現 Neumglycan C(NGC)は,我々がラット脳から単離した,神経組織に特異的なコンドロイチン硫酸プロテオグリカンである.網膜を含む幼若期の中枢神経系において,NGCが神経細胞体と線維に,一過性に発現することをが報告されている.ネコ視神経再生時におけるNGCの発現を調べた.視神経切断端に末梢神経を自家移植して8週後,移植末梢神経にdextran-蛍光色素を注入し,軸索を再生したRGCsを標識した.3日後に潅流固定して網膜と移植神経を剖出した.網膜および移植神経の凍結切片と網膜伸展標本を,NGCコアたんぱく質に対する抗体で免疫染色した.軸索を再生したRGCsおよび再生軸索線維に,NGCの発現が特異的に認められた.これまでのところNGC発現RGCsの細胞体の大きさの分布に特に傾向は認められなかった.【結論】軸索再生時にもNGCが発現され,たんぱく分子が両生軸索に輸送されることが明らかになった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kanda H, Yagi T, Watanabe M, Uchikawa Y: "Effect of pulse parameters on visual nerve system"JSAEM. 405-406 (2001)
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[Publications] Miyoshi T, Takao M, Watanabe M, Fukuda Y: "Intraocular injections of neurotrophic factors rescue retinal ganglion cells from receptive field shrinkage after axotomy in adult cats"Inv.Ophthal.Visual Sci.. 42(4). S678 (2001)
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[Publications] Watanabe M, Kato M, Maki H, Fukuda Y: "Promotion of axonal regeneration of ganglion cells with intravitreal injections of neurotrophic factors in cat retina"Inv.Ophthal.Visual Sci.. 42(4). S750 (2001)
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[Publications] 渡部眞三, 槇英樹: "ネコ網膜神経節細胞の生存と軸索再生の促進"Molecular Medicine. 39,別冊. 120-128 (2002)
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[Publications] 栗本拓治, 渡部眞三, 福田 淳: "視神経の再生-網膜神経節細胞の生存促進から視覚機能回復へ-"実験医学. 20(5). 811-817 (2002)