2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671755
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川上 重彦 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50177648)
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Keywords | 人工真皮 / 新生血管 / 鋳型血管像 / 皮膚移植 |
Research Abstract |
材料と方法 1)日本産成体家兎の耳介に方形(10×10mm)の耳介軟骨を含む皮膚欠損創を2ヵ所、両側で計4ヵ所作製した。 2)うち2ヵ所の創へ人工真皮を貼付し、貼付後5日、7日、10日目に背部から採取した薄目分層皮片(20/1000in.)を人工真皮上に移植した。また、同様非貼付創(対照創)にも皮膚移植を行った。 3)移植後1週、2週目に両耳介を切断し、これを鋳型血管標本と光顕標本に供して、それぞれ走査型電子顕微鏡、光学顕微鏡を用いて観察を行った。 結果 1)対照創では移植皮膚は全て生着したが、貼付創では貼付後5日目移埴群では移植皮膚の生着は得られなかった。 2)光顕所見(H-E染色)をみると、対照群では移植床の膠原線維は不規則に走行し、移植皮片は瘢痕組織上に生着していると考えられた。他方、貼付群では、移植床には人口真皮由来のアテロコラーゲンが多く観察され規則的な真皮様構造を構築していた。 3)鋳型血管像をみると、創の収縮、瘢痕形成に伴って出現する求心性の新生血管構築像が対照群で観察された。他方、貼付群の新生血管では求心性構築は対照群ほど著明ではなく、またその密度も疎となり、新生血管が成熟化の過程にあると考えられた。 結論 人工真皮貼付後1週間目に二次的植皮術を施行すれば人工真皮の架橋構造は温存される結果、移植皮膚の術後収縮は防止しえると考えられた。
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