2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671759
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
力石 秀実 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (70091767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 俊二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10241639)
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Keywords | スーパー抗原 / アポトーシス / インターフェロンγ / CD80 / LPS |
Research Abstract |
スーパー抗原であるstaphylococcal enterotoxin B(SEB)は、単球のアポトーシスを誘導し、内毒素リポ多糖(LPS)はこれを抑制する。SEBで誘導される単球のアポトーシスは抗CD95(Fas)抗体、抗CD95リガンド(CD95L)抗体で抑制されることから、SEBは主にFasの経路を介したアポトーシスを誘導することが示唆された。また、SEB刺激によるCD80^+単球の増加と関連してCD80^-単球の方がCD80^+単球よりもアポトーシスに高い感受性を示し、CD80^+単球が選択的に増加することが示された。一方、SEB刺激でT細胞からインターフェロン-γ(IFN-γ)が産生される。IFN-γは単独でCD80を単球に誘導する。IFN-γの作用は、抗CD119(IFN-γレセプターα鎖)抗体を用いたIFN-γレセプターのブロックによるCD80^+単球の減少により確かめられた。また、LPSはインターロイキン(IL)-10の作用を介してCD80の発現を抑制した。しかし、SEB刺激で誘導されるCD80^+単球は刺激後3時間から緩やかに増加すること、抗FasL抗体処理によるアポトーシス抑制によってCD80^+単球が減少することから、SEB処理によるCD80^+単球の増加は、SEB刺激に対する単球の複合的な反応の結果であることが示唆された。すなわち、SEB処理により、IFN-γが産生される以前にアポトーシスのシグナルが伝達され、その感受性の違いからCD80^+単球の選択的な増加が起こる。遅れて産生されるIFN-γの作用により、さらに二次的な増加が誘導される。一方、LPSはアポトーシスおよびIFN-γ産生の両方に抑制的に作用し、SEBにより誘導されるCD80^+単球の増加を抑制することが示唆された。
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