2000 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞膜表面に存在する新しい膜融合制御分子の遺伝子単離と融合機構の形態学的解析
Project/Area Number |
12671775
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久木田 敏夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (70150464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 明子 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30153266)
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Keywords | 膜融合制御分子 / 破骨細胞分化 / アドレノメジュリン / レセプター / Kat1抗原 |
Research Abstract |
破骨細胞分化における融合過程で機能する新しい膜融合制御分子Kat1抗原の遺伝子を単離するとともに、融合過程におけるマクロファージ融合制御分子MFRの関与を明らかにし、これらの膜融合制御分子の骨組織における発現と破骨細胞前駆細胞膜表面での挙動を分子形態学的に解析することを本研究の目的としておりこの目的遂行の為の実験を行っているが、その結果はまだ得られていない。しかしながらKat1抗原の新しい機能として、血管収縮作用を有するカルシトニンファミリーに属するペプチドであるアドレノメジュリンのレセプターとして本抗原が機能しうることが分かった。Kat1抗原の還元状態における分子量は32KDaであった。また、アドレノメジュリンについて種々の濃度のカルシトニン存在下、破骨細胞形成に対する効果を検討したところ、カルシトニンが存在する(この場合は10・100ng/ml)条件下においてのみ、破骨細胞の形成がアドレノメジュリンにより有意に促進された。更に^<125>I-標識したアドレノメジュリンの破骨細胞前駆細胞への結合が抗Kat1抗原モノクローナル抗体によって特異的に阻害されることが、γウェルカウンター及びオートラジオグラフィーを用いた実験で明らかにすることができた。これらの結果はKat1抗原がアドレノメジュリンレセプターと機能的な関連性がある分子であることを示唆している。これらの結果も参考にして、ラット破骨細胞のcDNAライブラリーから本抗原の遺伝子を単離し、分子の特定を行い、更に詳細な機能解析と分子形態学的解析を行う。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 久木田敏夫 他: "カルシトニンによるエスケープ現象の誘発に関与する破骨細胞膜表面抗原について"解剖学雑誌. 75. 433-438 (2000)
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[Publications] Komine M. et al.: "Tumor Necrosis Factor αcooperates with Osteoclast Differentiation Factor in generation of osteoclasts in stromal cell depleted rat bone marrair cell cult"Bone. (in press).
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[Publications] Kukita T. et al.: "Katl-antigen-areliable immunological marker for identifying osteoclast precursors of rats : detection of subpopulations among precursors and initiation af osteoclasto genesis."Histochemistry and Cell Biology. (in press).