2000 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸による接着分子の発現調節(歯髄細胞系と歯肉上皮三次元培養系を用いて)
Project/Area Number |
12671778
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
畠山 節子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (70048495)
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Keywords | 歯肉上皮細胞株 / デスモゾーム / レチノイン酸 / E-カドヘリン / βカテニン / SV40ラージT抗原 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
SV40ラージT抗原トランスジェニックマウスの歯肉上皮由来の細胞株2林を樹立し、Gingival epithelium(GE)-1,GE-6細胞と命名した(原著論文はin press中)。GE1とGE6細胞は継代せずに比較的長期間培養することで、重層扁平上皮としての三次元構造を形成する。この際、基底層から上層にむかうケラチノサイトしての細胞分化を示すことを、電子顕微鏡学的所見およびケラチン蛋白の免疫組織染色などで明らかにした。その後、この三次元構造を構築しているGE1とGE6細胞の細胞間にE-カドヘリン、βカテニン、デスモゾーム構成分子であるデスモグレイン、デスモプラキンなどが発現していることを明らかした。これらの分子の発現は上層の細胞の細胞間により顕著にみられた。これらの分子の発現がレチノイン酸処理(1μM、2日以上1週間の比較的長期)によって差異があるかどうかについては免疫組織学的結果では明らかにできなかった。この点を明らかにするための検索方法を考慮中である。電子顕微鏡による観察結果では、同様のレチノイン酸処理で細胞間に形成されるデスモゾーム数の減少しているように思われた。また、デッシュ面との間に形成されていたヘミデスモゾームがレチノイン酸処理を行うと観察されなくなった。現在、これらの所見を形態計測することを試みている。これらの結果を、2001年6月幕張(千葉)で開かれるInternational Association for Dental Researchの学会で発表予定である。 切歯先端部歯髄組織からの歯髄細胞株はBMP抗体を用いた免疫染色の結果、BMP-2,-4,-に陽性で、BMP-5に陰性であることがわかった段階である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 畠山節子,矢内信昭,帯刀益夫: "SV40 largeT抗原遺伝子導入transgenic mouse由来歯肉上皮細胞の多層培養とサイトケラチン発現"日本癌学会総会記事. 91・Suppl.. 294 (2000)
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[Publications] 根本優子,畠山節子,佐藤方信,木村重信: "マウス歯肉上皮細胞株の細菌刺激に対する応答性"歯科基礎医学会雑誌. 42・5. 501 (2000)
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[Publications] Hatakeyama,S., et al.: "Establishment of gingival epithelial cell lines from transgenic mice harboring temperature-sensitive simian virus 40 large T-antigen gene."J Oral Pathol & Med.. (in press). (2001)