2002 Fiscal Year Annual Research Report
HA-C標準試料とヘリカルスキャンCTによる生体無機質の精密定量システムの確立
Project/Area Number |
12671791
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Research Institution | TSURUMI UNIVERSITY, SCHOOL OF DENTAL MEDICINE |
Principal Investigator |
下田 信治 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30139620)
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Keywords | 骨密度 / 緻密骨 / 骨塩量ファントーム / 骨粗鬆症 / スパイラルCT / ハイドロキシアパタイト / 骨塩量 / CT値 |
Research Abstract |
平成14年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 すでに平成12,13年度の基礎的データとして、誤差5%以内での生体無機質の測定が可能であることが確認されているので、平成14年度は研究の最終年度としてHA-C標準試料の臨床応用を試みた。 方法として鶴見大学歯学部付属病院来院患者のなかでヘリカルスキャンCT撮影が行われた20代から60代までの女性患者25名について、HA-C標準試料を下顎オトガイ部に添付してCT撮影を行い、緻密骨の無機質を定量した。得られたHA-C標準試料のCT値および既知のハイドロキシアパタイト含有量(mg/mm^3)から検量線を作成し、下顎骨のCT値から、各個人の下顎骨緻密骨の無機費の定量値を求めた。 その結果、20代では1.21±0.065345mg/mm^3、30代では1.31±0.067676mg/mm^3、40代では1.22±0.0760260mg/mm、50代では1.25±0.104307mg/mm、60代では1.07±0.074699mg/mmという値が得られた。また、下顎骨の海面骨の無機質含量の定量値は、個体差が大きくCT値測定の際のROIが小さい場合には、全く検出されない場合も認められた。 従来、生体無機質に関しては骨粗鬆症との関連から骨塩量が定量されているが、それらの大部分は椎骨の海綿骨についての情報である。これは緻密骨の無機質含量を正確に求めることが困難なためであった。しかしながら、本研究で明らかとなったように正確に緻密骨の無機質含量の定量が可能となり、さらにヒトの下顎骨は骨粗鬆症の影響を比較的受けにくいとされていた従来の知見に反して、皮質骨においても閉経後の60代の女性で有意に骨塩量が低下していたことは、骨粗鬆症の病態解明に大きく寄与するものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小林 馨: "顎関節領域の三次元画像表示の現状と未来"歯界展望. 98・4. 826-831 (2001)
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[Publications] S.SHIMODA: "Estimation of Bone Mineral Density for the Compact BoneBone -A new calibration phantome for quantitative CT-"The proceedings of international symposium of oral science in tshrumi university school of dental medicine. First edition. 177 (2002)