2000 Fiscal Year Annual Research Report
ラット大脳皮質体性感覚野の歯根膜ニューロンの咀嚼運動への関与
Project/Area Number |
12671795
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田端 孝義 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (60005048)
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Keywords | ラット / 歯根膜ニューロン / 切歯 / 機械受容ニューロン / 視床VPM核 / 大脳皮質体性感覚野 / 咀嚼運動 |
Research Abstract |
歯根膜感覚情報が脳内でどのように処理され、食物の硬さ、位置や歯触り等の感覚を起こしているか、いかに咀嚼運動系を調節しているかを理解するため、ネコ、ウサギ、ラットを使い、歯根膜ニューロンの反応特性を一次ニューロンから脳内各レベルの感覚上行性経路で調べてきた。今回未だ良く調べられていない視床VPM核とラット大脳皮質に注目し、歯根膜ニューロンの反応特性を精細に調べることを目的とした。ラットの実験はペントバルビタール及びクロラロース・ウレタン持続麻酔下で行った。視床VPM核の歯根膜ユニットは核内の吻側2/3の腹内側部に多く局在し、上顎歯に反応するユニットは背側に、下顎歯に反応するユニットは腹側に分布していた。遅順応性ユニットは30%と脳幹の三叉神経感覚核よりかなり減少し、約90%は対側に受容野を有していた。大脳皮質歯根膜ユニットは第一次体性感覚野の最吻側の吻内側部とそれより多少尾外側部から記録され、吻内側部は下顎切歯刺激に反応する単歯ユニット、尾外側部は上顎切歯の単歯ユニットであった。これらのユニットの大多数(90%以上)は速順応性であり、約90%が対側受容野、約10%が両側受容野であった。多くの歯根膜ユニット(約70%)は刺激に対して方向選択性を持っていなかった。しかし、残り(約30%)のユニットは刺激に対し方向選択性を有するユニットで、最適刺激方向は唇舌又は舌唇方向であった。この方向は食物の人出方向又は咀嚼時の上・下顎切歯の接触方向と一致していた。今後大脳皮質咀嚼運動野刺激で歯根膜感覚と顎運動の関連性を追及する予定でいる。
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