2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト軟骨由来多機能成長因子エコジェニン/CTGFの細胞内機能の探究
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12671807
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保田 聡 岡山大学, 歯学部, 助手 (90221936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 高子 岡山大学, 歯学部, 助手 (00228488)
中西 徹 岡山大学, 歯学部, 助教授 (30243463)
滝川 正春 岡山大学, 歯学部, 教授 (20112063)
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Keywords | CTGF / 軟骨細胞 / 細胞周期 / M期 / チェックポイント |
Research Abstract |
1 細胞内CTGF過剰発現による細胞周期変調効果の検証-サル腎由来線維芽細胞株Cos-7に、CTGF遺伝子真核細胞発現プラスミドをDNAトランスフェクション法により導入しCTGFを高レベルで発現させた。この方法では導入後12時間で、既にCTGFタンパ質が細胞内に集積し始めることが蛍光抗体法により確認できた。この時CTGFは細胞内に均一に存在するわけではなく、細胞核近傍の特定のスポットに集中してみられたので、それが何なのかを探った。α-tubulinとの共染色によって、我々はその場所が中心体である可能性を見い出したが、この点については今後検討の余地が残っている。その後CTGFの蓄積は導入後24時間でより顕著となり、それに伴い興味深い変化が細胞に現れた。CTGFの発現する細胞は、選択的に培養シャーレ底面より浮き上がりを見せ、同時にDNA含量の著しい増加が見られた。これは細胞周期中G2-M期にある細胞の特徴と一致し、実際その様態は有糸分裂をM期で停止させるコルヒチンの作用に酷似していた。CTGF発現によって細胞増殖は速まることなくむしろ鈍りがみられたことから、CTGFは細胞内で細胞周期をG2-M期で停止、遅延させる効果を持つと考えられる。 2 CTGFモジュール構造と、細胞周期コントロール機能の構造-機能連関-上記のような現象が、CTGF分子を構成する4つのモジュールのどの作用によるものかを解析するために、本年度は多くのCTGF欠損変異体を発現すべきプラスミドが構築された。 3 CTGFの細胞内作用点、レセプターの探索-CTGF分子を固定したアフィニティーカラムを用い、我々はCTGFが細胞内で結合しうるタンパク質を細胞質抽出液から精製、単離、分析する試みを続けており、現在幾つかのタンパク質の部分精製が進んでいる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Satoshi Kubota et al.: "Novel intracellular effects of human connective tissue growth factor expressed in Cos-7 cells."FEBS Letters. 474. 58-62 (2000)
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[Publications] Satoshi Kubota et al.: "Identification of an RNA element that confers post-transcriptional repression of connective tissue growth factor/hypertrophic chondrocyte specific 24 (ctgf/hcs24) gene : Similarities to retroviral RNA-protein interactions."Oncogene. 19. 4773-4786 (2000)
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[Publications] Seiji Kondo et al.,: "Characterization of a mouse ctgf 3'-UTR segment that mediates repressive regulation of gene expression."Biochemical and Biophysical Research Coommunucations. 278. 119-124 (2000)