2000 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺導管の水駆動力としての重炭酸イオン分泌制御機構
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12671808
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴 芳樹 広島大学, 歯学部, 教授 (90110452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 誠 広島大学, 歯学部, 助手 (50235884)
広野 力 広島大学, 歯学部, 講師 (10199135)
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Keywords | 導管水分泌 / 唾液腺分泌 / イオンチャネル / CFTR / 重炭酸イオン / 重炭酸分泌 |
Research Abstract |
唾液腺における水分泌には,腺房細胞における水分泌のみだけではなく,自律神経刺激による導管での水分泌も寄与し,更に導管での水分泌駆動力としての重炭酸イオン分泌に携わるカルシウムイオン依存性陰イオンチャネルとcAMP依存性CFTRの性質とその細胞内分子制御機構を解明することを目的としている。 今年度は,交感神経作動薬による導管の水分泌とそのイオン駆動機構(CFTRを介する重炭酸イオン分泌機構)を以下の研究項目で明らかにした。 (1)分離導管での水分泌に関与するイオンチャネルの解明 コンフォーカル顕微鏡下で蛍光色素の分離導管からの排出を引き起こすcAMP増加剤の効果にたいする各種イオンチャネル阻害剤の影響から,DPC感受性陰イオンチャネルやCFTRを介する重炭酸イオン分泌により駆動される水分泌を明らかにした。 (2)分離導管細胞でのイオンチャネル制御機構解明 分離導管細胞での,パッチクランプ解析でcAMP増加剤で活性化されるイオンチャネルと流れるイオンを調べ,重炭酸イオンがDPC感受性陰イオンチャネルやCFTRを介して分泌される制御機構を明らかにした。 (3)分離導管でのpH変動の解析 分離導管細胞内のpH変化より重炭酸イオンの分泌様式をイオン感受性蛍光色素で調べ,cAMP増加剤で細胞内酸性化が観察され,メタゾラミド追加処理で細胞内pHはアルカリ化した。導管細胞内変化と重炭酸イオン生成・分泌との関連を明らかにした。 (4)上記研究結果の一部は公表し,その結果の統合から,交感神経作動薬はcAMP増加を介して,活性化されるDPC感受性陰イオンチャネルやCFTRを介してCO2から形成された重炭酸イオンが分泌される,この分泌が導管における水輸送の駆動力として作用していることが解明された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hirono,C.,Nakamoto,T.,Sugita,M.,Iwasa,Y.,Akagawa,A.and Shiba,Y.: "Gramicidin-perforated patch analysis on HCO3- secretion through a forskolin-activated anion channel in rat parotid intralobular duct cells."J.Membrane Biol.. 180(In press). (2001)