2001 Fiscal Year Annual Research Report
膜融合調節装置としての頂端側形質膜ホスホリパーゼDの存在意義
Project/Area Number |
12671820
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
藤田 厚 朝日大学, 歯学部, 教授 (60067098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 真子 朝日大学, 歯学部, 助手 (80181907)
八代 耕児 朝日大学, 歯学部, 講師 (50182316)
亀山 泰永 朝日大学, 歯学部, 助教授 (50161245)
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Keywords | 頂端側形質膜 / ホスホリパーゼD / イノシトールリン脂質 / 開口分泌 |
Research Abstract |
本研究は開口分泌におけるホスホリパーゼD(PLD)の関与を検討したものである。初年度では、頂端側形質膜のPLDが、ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸(PIP_2)で顕著に活性化されることを明らかにし、in vivoでの活性調節にもPIP_2が関与している可能性を指摘した。そこで本年度は、PIP_2の開口分泌部位における代謝動態を検討した。耳下腺細胞の膜リン脂質組成を分析したところ、PIP_2を含めたイノシトールリン脂質群は全リン脂質の約7%、さらにPIP_2は全イノシトールリン脂質中0.9%しか存在しておらず、通常の組織細胞と同様に極微量成分であった。しかし、耳下腺分散細胞を用いた実験において、[^<32>P]無機リン酸の膜リン脂質への取り込み量はイノシトールリン脂質群が最も多く、これら脂質の早い代謝回転が示唆された。これに比べ[^3H]遊離脂肪酸のイノシトールリン脂質群への取り込み量は明らかに少なかった。さらに単離頂端側形質膜を用いて開口分泌部位での検討を進めたところ、PIP_2の前駆体であるホスファチジルイノシトール(PI)は、単離頂端側形質膜とインキュベートすると主にジアシルグリセロール(DAG)とホスファチジルイノシトール-4-リン酸(PIP)に代謝され、PIPの一部はさらにリン酸化されPIP_2となった。一方、脱アシル化反応はDAG生成の5分の1程度しか認められなかった。これらの結果から、無刺激状態の頂端側形質膜におけるイノシトールリン脂質群の代謝は、DAG-PI-PIP-PIP_2間での相互変換が中心となっており、脱アシル化-再アシル化系の関与は少ないことが示唆された。次年度は、分泌刺激時のPIP_2の代謝回転とPLD活性・開口分泌との相関を検討するとともに、in vitro開口分泌系を用いて、同様の相関が再現できるか否かを検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Inokuchi, Hiroshi: "Comparison of Ca^<2+> independent phospholipase A_2 activity in apical plasma membranes and secretoiy grandes from the rat parotid gland"Japanese Journal of Oral Biology. 43・6. 666-675 (2001)
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[Publications] Mizuno-Kamiya, Masako: "Ca^<2+>-independent phospholipase A_2 activity in apical plasma membranes from t e rat parotid gland"Archives of Oral Biology. 46・9. 789-799 (2001)