2000 Fiscal Year Annual Research Report
心・腎疾患を惹起する口腔レンサ球菌の病原因子の解明
Project/Area Number |
12671827
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
弘田 克彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 謙 徳島大学, 歯学部, 助手 (10218274)
小野 恒子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40035514)
三宅 洋一郎 徳島大学, 歯学部, 教授 (80136093)
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Keywords | レンサ球菌 / ヒストン様蛋白 / 三次元構造 / 分子モデル / 心疾患 / 腎疾患 / CD15s |
Research Abstract |
レンサ球菌のヒストン様蛋白質(HlpA)は、心・腎疾患の発症に関与することが強く示唆されている。本研究では、S.pyogenesのhlpA遺伝子配列から作成したプライマーと、S.sanguinis、S.gordonii、S.oralis、anginosus group streptococci(AGS)等の染色体DNAを鋳型に用いてPCRを行い、得られたPCR産物をもとにhlpA遺伝子の一次構造から二次構造を明らかにした。AGSに属するS.intermedius TW1053株(感染性心内膜炎患者由来株)のHlpA分子の2次構造は91個のアミノ酸配列からなり、ホモダイマーの形をとっていた。分子量は9.6kDa、PIは10.2の塩基性タンパクである。α1、α2、β1、β2、arm region、β3、α3からなっていた。次にS.intermediusのHlpA立体構造を、B.stearothermophilus由来HlpAのNMR構造解析データを基に分子モデリングした。その結果HlpA分子表面に露出するアミノ酸残基の特定が可能となり、DNAやLTA結合部位の他に、ヘパリン結合部位やCD15s結合性の構造情報が得られた。分子モデリングは実験と組み合わせることで、実験結果に対するより深い考察を可能にする。本研究結果から、S.pyogenes、S.sanguinis、S.gordonii、S.mitis、S.oralisなどのHlpAのアミノ酸配列はS.intermedius HlpAのアミノ酸配列とホモロジーが高いため、S.intermedius TW1053HlpAの分子モデリングはS.intermediusだけにとどまらず他のレンサ球菌も含めた菌体外HlpAの病原性を解明する上で有用なツールとなると考える。
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Research Products
(1 results)