2001 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアDNA障害による放射線感受性決定とその因子の解明
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12671844
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (60165701)
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Keywords | 放射線 / アポトーシス / ミトコンドリア / 致死機構 / 活性酸素 / マンガンSOD |
Research Abstract |
本研究の目的は、mtDNA欠損による放射線感受性増大の機序を解明することであり、また、SODの内、ミトコンドリアに限局し作用を示すMnSODに注目し、放射線に関連するanti oxidant response、すなわちMnSODによる放射線に対する細胞防御機構の解明について研究することである。これらの現象は、放射線によるmitochondria mediated cell deathの可能性を示唆しているが、これらの現象及びその機序については世界でも未だ報告されていない。本研究では、これらの研究を世界にさきがけて行なおうとするものであった。また、本研究では、放射線によりmitochondria mediated cell deathがひき起こされる仮説を実証するため、放射線感受性が著しく高いことが判明したmtDNA欠損細胞(ミトコンドリアDNA欠損細胞)を用い、この細胞にMnSOD遺伝子をトランスフェクト等して、放射線感受性の回復を調べ、本仮説を実証しようと試みた。本年度では以下の事を行なった。mtDNA欠損細胞にMnSODの遺伝子をトランスフェクトした細胞の放射線感受性を調べた結果、放射線感受性の低下をひきおこさなかった。MnSODの局在を調べるためMnSOD遺伝子のGFP発現ベクターを作成し、調べた結果、MnSODがミトコンドリアの局在を示さないことがわかった。これより、MnSODによる放射線感受性のMnSODのミトコンドリア局在が必要であることが推察された。これらの一連の研究によりミトコンドリアが放射線感受性を変化させる十分な証拠を得たことを確信した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ando K, Furusawa Y, Suzuki M, Nojima K, Majima H, Koike S, Aoki M, Shimizu W, Futami Y, Ogino T, Murayama S, Ikeda H: "Relative Biological Effectiveness of the 235 MeV proton beams at the National Cancer Hospital East"J. Radiat. Res.. Vol.42, No.1. 79-89 (2001)
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[Publications] Motoori S, Majima HJ, Ebara M, Kato H, Hirai F, Kakinuma S, Yamaguchi C, ANdo K, Ozawa T, Nagano T, Tsujii H, Saisho H: "Overexpression of mitochondrial manganese superoxide dismutase protects against radiation-induced cell death in the human hepatocellular carcinoma cell line, HLE"Cancer Res.. Vol.61, No.14. 5382-5388 (2001)
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[Publications] Zhao Y, Xue Y, Oberley TD, Kiningham KK, Lin S, Yen HC, Majima H, Hines J, St. Clair D: "Overexpression of MnSOD suppresses tumor formation by modulation of AP-1 signaling in a multistage skin carcinogenesis model"Cancer Res.. Vol.61, No.16. 6082-6088 (2001)
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[Publications] 馬嶋秀行, 本告成淳, 山口千鶴, 柿沼志津子, 平井太, 鈴木雅雄, 小澤俊彦, 安藤興一, 藤高和信: "放射線障害に対する細胞内ミトコンドリアの役割"癌の臨床. 第47号,第1号. 14-16 (2001)