2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄保存療法に対する細菌学的考察-暫間的間接覆髄法について-
Project/Area Number |
12671868
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
池永 英彰 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50232210)
|
Keywords | 暫間的間接覆髄法 / 齲蝕深部象牙質 / 抜髄処置 / 歯髄疾患 / 露髄 / 臨床的指標 / 冷水痛 / 齲蝕罹患歯 |
Research Abstract |
当初の予定では、暫間的間接覆髄法を施行した症例に対して,経時的に臨床的および細菌学的に検査を行ないその結果に考察を加える予定であったが,条件を満たした症例が少なく,期日中に予定の症例をクリアーするのは困難と判断し,準備実験を計画,その結果をまとめた.つまり,間接覆髄施行中に露髄し抜髄の対象どなった症例および,補綴学的要求で抜髄処置が必要な症例のうち冷水痛を有する症例に対して,齲蝕深部象牙質中および歯髄中より細菌を分離・同定し,歯髄疾患における歯髄への細菌の侵入に対する臨床的指標を検索した.その結果,対象とした14症例すべての深部象牙質から細菌が分離された.また,それら細菌と根管内より分離された細菌との比較から歯髄への感染は,深部象牙質に存在する細菌が直接歯髄内に侵入する可能性が高いにと,そして深部象牙質から侵入した細菌が歯髄内で増殖する段階で菌種やその比率を変化させる可能性を明らかにした.さらに,湿潤した茶褐色の感染象牙質を有する齲蝕罹患歯では,歯髄内への細菌の侵入の可能性が高い傾向が確認された.なお,実験に際しては患者には文書及び口頭で実験の詳細を説明し.治療には支障がないにとを理解させ,協力の約束を取りつけた上で実験を行なった.以上の結果をまとめ今回の発表とした.この準備実験の結果については,日本保存学会雑誌に投稿の予定である.またこの準備実験を通して,検体の採取法やその再現性に問題はなく,同様の方法で本実験を行なえるにとが再確認された.今後予備実験の成果をふまえて,本実験の症例を追加していく予定である.
|