2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中患者の音声言語障害に対するパラタルリフトを用いた運動療法の開発
Project/Area Number |
12671879
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 健 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90028788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 久永 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80273697)
舘村 卓 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (60188266)
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Keywords | 鼻咽腔 / 口蓋帆挙筋 / スピーチエイド / 筋疲労 / 音声言語 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究の目的は,脳卒中症における音声言語機能障害である麻痺製構音障害の主因である鼻咽腔閉鎖不全症を,パラタルリフトによって関連筋の疲労を抑制しつつ,CPAP療法(鼻腔内陽圧負荷療法)の効果を増強する運動療法のプランニング基準を検討することを目的としている. 平成12年度の目的は,パラタルリフト装着後の経過期間に伴うパラタルリフトによる口蓋帆挙筋疲労の抑制効果の相違について検討した.当部においてこれまでにパラタルリフトを作成し経過観察している脳卒中症例の中から筋電図検査の可能な症例を選択し,種々の高さの口腔内圧によるblowing活動と発音活動をtaskとして口蓋帆挙筋筋電図を採取した.一部の被験者では,MPF(Mean Power Frequency)によって口蓋帆挙筋疲労の程度を評価し,装着開始後の経過期間と装置による疲労抑制効果の関係を検討した.対象筋である口蓋帆挙筋は,患側および非患側で採取した.その結果,口蓋裂例同様に装置装着時には発音活動に要求される筋活動の領域は低下し,疲労が軽減される可能性が伺われた.さらに,連続発音時の筋疲労が生じるかをMPFによって検討したところ,非装着時には疲労が認められるものの,装着時の疲労軽減の様相は被験者によって様々であった.一方,患側については上記所見であったが,非患側においても異常所見が認められ,かならずしも健常ではなく,患側の影響を受けていることが示された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] TACHIMURA,T., et al: "Effect of placement of a speech appliance on levator veli palatini muscle activity during speech"Cleft Palate-Craniofacial Journal. 37・5. 478-482 (2000)
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[Publications] TACHIMURA,T., et al: "Nasalance score variation in normal adult Japanese speakers of mid-west Japanese Dialect."Cleft Palate-Craniofacial Journal. 37・5. 463-467 (2000)
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[Publications] 原久永 他: "頭位の変化が口蓋帆挙筋に与える影響-軽度鼻咽腔閉鎖不全症例について-"日本口蓋裂学会雑誌. 25・3. 233-238 (2000)