2001 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素徐放性充填修復材の破壊・変形挙動と接着耐久性に関する要因の解析
Project/Area Number |
12671899
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
中嶌 裕 明海大学, 歯学部, 教授 (80188961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 靖 明海大学, 歯学部, 講師 (20238322)
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Keywords | グラスアイオノマーセメント / 接着 / 強さ / フッ素 / 充填材料 |
Research Abstract |
本研究はフッ素徐放性修復材料の口腔内での劣化と接着耐久性に影響を及ぼす材料学的な要因と臨床操作的要因を明らかにしより耐久性のある修復材料開発のための基礎的知見を得ることを目的としたものである.前年度はグラスアイオノマーセメント,コンポマーならびにフッ素徐放性コンポジットレジン材料自体の機械的性質について強さ,圧縮クリープならびに破壊靭性値の測定を行った.本年度も圧縮クリープ実験を継続中である.レジン添加型グラスアイオノマーは静的荷重下に大きな変形挙動を示していることが再確認された.本年度から接着耐久性の評価を開始した.牛歯象牙質とフッ素徐放性材料の接着耐久性の評価をおこなうにあたり,今後の実験の基礎データとするため静的条件でせん断接着強度の測定を開始した.さらに,フッ素徐放性修復材料と象牙質との接着界面での破壊靭性値をNTP試験片を使用したRuseの方法に準じて算出した.実験では,接着強度自体がこれらの材料では小さいため,データの再現性が得られ難い結果となった.繰り返し荷重下での接着耐久性を評価するために,繰り返し荷重試験機の作成を開始した.接着強度が小さいことと,試験片の湿度を保持しないと接着が持続しない点など,多くの問題点を解決するために試験機の改良を重ねている段階である.口腔内でのグラスアイノマー系材料劣化の要因の一つと推測されている酸性リン酸フッ素溶液塗布の影響について検討を行った.6回までの繰り返し塗布の段階ではダイアメトラル引張強さに有意な減少は見られなかったものの走査電子顕微鏡観察では材料によっては表層下20μm程度まで化学的侵襲をうけていることがわかった.フッ素リチャージ効果を期待したフッ素塗布は材料の耐久性に影響を及ぼす要因となりうるものと推測された.
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