2001 Fiscal Year Annual Research Report
氷温保存を用いた歯牙移植・再植の実験的研究と保存液の開発
Project/Area Number |
12671900
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
滝澤 秀樹 昭和大学, 歯学部, 講師 (50236387)
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Keywords | 凍結保存 / 歯の移植・再植 / 凍結保護物質 / 氷温保存 / トレハロース / UW液 / 歯根膜細胞 |
Research Abstract |
移植・再植歯の長期保存方法の確立のために保存液に三種類の凍結保護物質を添加してビーグル犬の歯根膜細胞を用いて、保存歯牙の歯根膜細胞の培養実験を行った。 保存液はUniversity of Wisconsin solution(以下UW液と省略する)を用い、凍結保護物質はトレハロース・DMSO・グリセロールの三種類を使用した。凍結保護物質の濃度は0%・10%濃度となるように保存液に添加・調整した。保存温度は氷温保存(-2℃)・凍結保存(-80℃)とし、保存期間は2日・4日・7日間とした。保存終了後に位相差顕微鏡による観察、パーソナルコンピューターを用いて細胞増殖能試験・運動能試験の解析を行った。 細胞増殖試験の結果、凍結保存のUW+DMSO保存例・UW+グリセロール保存例が最も良好は成績を示し、次いで凍結保存のUW+トレハロース保存例が高い細胞増殖能を示した。 細胞運動能試験では、凍結保存のUW+DMSO・UW+グリセロール・UW+トレハロースの順で高値を示し、細胞増殖試験の結果とほぼ対応した結果が得られた。 以上の結果より、歯根膜細胞の生物学的活性を維持するためには、UW液における凍結保存ではDMSO・グリセロール・トレハロースといった凍結防止物質の添加が非常に有効であり、移植・再植歯の長期保存への可能性が示唆された。
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