2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671903
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
吉成 正雄 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (10085839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20125008)
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Keywords | インプラント / チタン / 細菌付着 / 表面改質 / ドライプロセス / 抗菌性 / 唾液タンパク質 |
Research Abstract |
現在のインプラントは、インプラント周囲炎が発症し易く脱落の危険性を孕んでいる。インプラント周囲炎の原因の一つに細菌感染がある。チタンは骨結合性に優れる反面、口腔内細菌も付着しやすく、表面を鏡面にしようとも粗面にしようとも、若干の量的差こそあれ細菌は付着しプラークが形成される。したがって、この部位は骨組織接触部に求められる性質とは異なる表面改質法が求められる。細菌の吸着特性は表面荷電に影響を受けやすいことから、主に表面荷電を考慮した表面設計を試みた。また、この部位は常時ブラッシングがなされることから、イオン注入法、イオンプレーティング法など耐磨耗性に優れた表面に改質できるドライプロセス法を採用した。鏡面の純チタン板に、イオン注入処理(Ca^+,N^+,F^+)、陽極酸化処理、チタニア低温溶射処理、イオンプレーティング処理(TiN、Alumina)、イオンビームミキシング処理(Ag,Sn,Zn,Pt)の耐摩耗性表面処理を施した。処理表面の物性をX線光電子分光法、薄膜X線回折法で評価するとともに、表面エネルギーおよびCaイオンの付着量を計測した。その後、表面改質された試料上で[^3H]-thymidineでラベリングしたP.gingivalis ATCC33277(P.g.)、および[^3H]-uridineでラベリングしたA.actinomycetemcomitans ATCC43718(A.a.)を1時間培養し(37℃)、歯周病原菌の初期付着特性を検討した。さらに、分注した上記培養菌液に各試験片を浸漬し、37℃にて48時間嫌気培養し、生菌数測定法による抗菌性を評価した。P.g.およびA.a.菌のin vitroでの初期付着試験の結果、Ca^+注入処理面で付着量が多く、Alumina被膜処理面で特異的に少なくなり、表面の荷電状態およびCaの存在が初期付着特性に関与していることが明らかとなった。また、F^+注入処理が両菌に対し有効な抗菌性を示した。その後、唾液中に存在する抗菌性タンパク質(ペプチド)であるcystatin,lysozyme,lactoferrin,histatinやβdefensin-2をチタンに固定し、それらの発現を促すための表面改質法を検討した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hayakawa, T., Yoshinari, M., Nemoto, K., Wolke, J.G.C., Jansen, J.A.: "Trabecular bone response to surface roughened and calcium phosphate(Ca-P) coated titanium implants"Biomaterials. 23・4. 1025-1031 (2002)
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[Publications] Okumura A, Goto M, Goto T, Yoshinari M, Masuko S, Katsuiki T, Tanaka T: "Substrate affects the intial attachment and subsequent behabior of human osteoblastic cell(Saos-2)"Biomaterials. 22・16. 2263-2271 (2001)
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[Publications] Yoshinari, M., Oda, Y., Kato, T., Okuda, K.: "Influence of surface modifications to titanium on antibacterial activity in vitro"Biomaterials. 22・14. 2043-2048 (2001)
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[Publications] Yoshinari, M., Oda, Y., Ueki, H., Yokose, S.: "Immobilization of bisphosphonates on surface modified titanium"Biomaterials. 22・7. 709-715 (2001)
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[Publications] Yoshinari, M., Oda, Y., Kato, T., Okuda, K., Hirayama, A.: "Influence of surface modifications to titanium on oral bacterial adhesion in vitro"Journal of Biomedical Materials Research. 52・2. 388-394 (2000)
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[Publications] Yoshinari M, Oda Y: "Structural Biomaterials for the 21st Century, Titanium surface modification with dry process for dental implants(著分担)"The Minerals, Metals & Materials Society. 288 (2001)
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[Publications] 吉成正雄: "界面ハンドブック,第15章 生体材料 第3節 材料の表面改質およびその応用 リン酸カルシウムコーティング(著分担)"エヌ・ティー・エス. 1208 (2001)