2001 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーを用いた歯質のセラミックス処理によるう蝕予防と修復
Project/Area Number |
12671909
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
倉田 茂昭 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (20104333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 智太郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50237781)
楳本 貢三 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (40097275)
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Keywords | レーザー / セラミックス / う蝕予防 / 表面処理 / エナメル質 |
Research Abstract |
う蝕予防あるいは修復治療などのために、エナメル質表面に種々の陶材やガラス系粉末材料を塗布し、炭酸ガスレーザーを照射してエナメル質表面のセラミックス化を計った。炭酸ガスレーザーにはオペレーザー-03S(ヨシダ製作所)を用い、照射筒先端と照射試料面との距離を20mmに固定した。粉砕した微粒子状のリン酸系のキャスタブルセラミックスPGC(旭ガラス社製)ならびにCrys-Cera(九耐デントセラム社製)を歯面に塗布後、レーザー照射すると溶融したセラミックスがエナメル歯質に浸透・融着し、エナメル質表面をセラミックス化することができた。また、セラミックス化した歯質表面のpH4.0の酢酸緩衝溶液に対する耐溶解性は、レーザー未処理の約5〜10倍に向上させることができた。歯質の耐酸性をさらに向上させるために、PGCにコロイダルシリカを添加した処理液を歯面に塗布した後、レーザーを照射した。コロイダルシリカを添加したレーザー照射群の耐酸性は、PGCを塗布したレーザー照射処理群に比べ、さらに約2倍向上させることができた。一方、これまで用いたレーザーの照射ビーム径は小さく、歯質全面に対し均一な照射処理を施すことは難しかった。特に臨床応用を考慮した場合、ビーム径の大きい方が均一な照射ができ、しかも照射操作が容易となり、照射時間も短縮できる。研究者らはレーザーの照射ビーム径を大きくし、PGCを塗布した歯質にレーザーを照射したところ、歯質の耐酸性は上述と同様、レーザー未処理の約5〜10倍向上させることができた。
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