2001 Fiscal Year Annual Research Report
IL-18の抗腫瘍メカニズムの解明と頭頚部腫瘍治療への応用:IL-12との比較
Project/Area Number |
12671921
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
越後 成志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70005114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋元 亘 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30323033)
森川 秀広 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60302155)
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Keywords | IL-18 / 抗腫瘍効果 / NK細胞 / IFN-γ / IL-12 / 樹状細胞 / innate immunity / specific immunity |
Research Abstract |
我々はこれまでに、IL-18の抗腫瘍効果の詳しいエフェクター細胞に関してマウスの系を用いて解析を行い、その抗腫瘍効果のエフェクター細胞がNKT細胞ではなくNK細胞であること(論文投稿中)、またIL-18がNK細胞を活性化し腫瘍細胞をアポトーシスに陥らせる結果、樹状細胞を介して効率良く腫瘍特異的CTLを誘導すること(Tanaka et al. C. Res. 2000, 60 : 4838-4844)などを明らかにしてきた。 平成13年度は、ヒトでのIL-18の抗腫瘍効果、特にその詳しいエフェクター細胞の解析を行った。ヒト末梢血をHuIL-18で14日間刺激・培養し、リンパ球の表面マーカーの変化を解析したところ、CD3-CD56+(NK)細胞が著明に増加することが分かった。また、その際の培養液中のIFN-γ産生量をELISA法にて測定したところ、IL-2単独で培養した場合と比較して、多量のIFN-γ産生がみられることを明らかにした。IL-18の添加培養でNK細胞が増加していること、またIFN-γの産生増強がみられたことにより、IL-18がヒトにおいても抗腫瘍効果を発揮することが予想された。そこで次に、IL-18により活性化されたリンパ球が腫瘍細胞に対してアポトーシスを誘導するかどうかを検討した。HuIL-18を添加培養したヒト末梢血リンパ球とヒト腫瘍細胞株とを8時間共培養した後、腫瘍細胞をAnnexin-V, PhiPhiLux, PI等で染色することによりアポトーシスの検出を試みた。その結果、IL-2単独で培養した場合と比べてIL-18+IL-2で培養したとき、腫瘍細胞アポトーシスが増強された(論文準備中)。以上のことより、ヒトの系においてもIL-18が抗腫瘍効果を有することが明らかになり、ヒト悪性腫瘍治療への臨床応用の可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 森川秀広, 越後成志 他2人: "口腔扁平上皮癌細胞における癌化学療法によるアポトーシスの誘導"東北大学歯学雑誌. 20(1). 35-40 (2001)
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[Publications] F.Tanaka, W.Hashimoto 他4名: "Rapid generation of potent and tumor-specific cytotoxic T lymphocytes By Interleukin 18 using dendritic cells and natural killer cells"Cancer Research. 60. 4838-4844 (2000)