2002 Fiscal Year Annual Research Report
Nrf2遺伝子ノックアウトマウスを用いた口腔病変のストレス応答の解析
Project/Area Number |
12671924
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Research Institution | Univ. of Tsukuba |
Principal Investigator |
柳川 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10312852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 哲郎 筑波大学, 社会医学系, 教授 (20111370)
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Keywords | Nrf2 / 鉄イオン / フェリチン / 酸化ストレス |
Research Abstract |
前年度までに、カルシウム、リン、鉄の元素を分析し定量をおこなったところ、ホモタイプ歯質表面のでは鉄の量がすくないことがわかり、これらのことから、Nrf2の口腔病変として現れる歯の色調の変化は鉄が関与しているものと推定された。本年度はその鉄についての解析を深めた。前年度の計画で解析が不十分であったin situ hybridazationを継続でおこない、異常が起きているエナメル芽細胞におけるフェリチンmRNAを調べたところ、発現の部位には異常があるものの、ともに発現していることを見いだした。フェリチンの発現以外に、in situ hybridazationでNrf2が発現しているかを調べたところ、歯髄に一部発現しているものの、エナメル質等には顕著な発現はみられなかった。さらに、鉄染色をおこない、鉄の動態を調べたところ、成熟期後期のエナメル芽細胞において、Nrf2ノックアウトマウスでは輸送障害がおこり、エナメル芽細胞下の乳頭層に鉄が沈着し、その後エナメル芽細胞が変性していくことがわかった。 また、骨の異常の検索を単純X線で検討したが、Nrf2ノックアウトマウスには異常がみられなかった。DXA、μFX線CTをもちいて骨密度を測定と骨断面の計測をしたが、これらも異常はみられなかった。また、カルセインを投与4日後にマウスを屠殺し、大腿骨の成長線付近で骨形態計測をおこなったが、ノックアウトマウス、ワイルドタイプマウスともに有意な差がみられなかった。 以上から、マウスの顎口腔領域におこす病変はNrf2の欠失により鉄の輸送・代謝異常をおこすことによる結果であるこが推測された。(以上、現在投稿準備中)
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