2001 Fiscal Year Annual Research Report
培養扁平上皮癌細胞におけるFas/Fasリガンドとシグナル伝達
Project/Area Number |
12671958
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
福田 仁一 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00106270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽地 達次 徳島大学, 歯学部, 教授 (50156379)
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Keywords | Fasリガンド / Fas抗原 / アポトーシス / 口腔癌 |
Research Abstract |
我々は、口腔扁平上皮と口腔扁平上皮癌細胞におけるFas/Fasリガンドシステムとアポトーシスとの関係について研究してきた。これまでに、我々は培養扁平上皮癌細胞にFas抗原及びFasリガンドのmRNAが発現することをRT-PCR法を用いて証明した。さらに、Fasリガンドは無血清条件下で、培養扁平上皮癌細胞にアポトーシスを誘導することを見いだした(Seta et al.,2000)。口腔扁平上皮癌細胞のアポトーシスをより単純な系で調べるために、我々は培養口腔扁平上皮癌細胞(SCC-25,SCCKN, SCCTF)を用いて、蛋白質脱リン酸化酵素阻害剤であるオカダ酸とカリクリンAがこれらの細胞にアポトーシスを誘導することを見いだした。また、オカダ酸により誘導されるSCC細胞のアポトーシスにおいて、Fas抗原及びFasリガンドのmRNA及び蛋白の発現が、時間および濃度依存的に増強した(Goto et al.,2002)。また、caspase-3のタンパクレベルでの減少も、オカダ酸の時間及び濃度依存的におこっており、このアポトーシスはcaspase系を介して起こっている。Fas及びFasリガンドの転写因子としてNF-κBが知られており、オカダ酸はこのNF-κBの活性化を示す指標となるIκB-αの分解を誘導した(Goto,2002)。更に、オカダ酸はNF-κBによるFasリガンドの転写活性を促進することが分かった(Fujita et al., submmited)。IκB-αはその塩基配列中のSer^<32>のリン酸化がおこることによりNF-κBの活性化がおこることが知られている。これらの結果から、オカダ酸がIκB-αのリン酸化を促進させることで、NF-κBが活性化し、Fas及びFasリガンドの発現を転写レベルで促進させ、SCC細胞にアポトーシスを誘導するという1つの系を提示する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasuhiro Morimoto: "Alteration of argyrophilic nucleolar organizer region associated (Ag-NOR) proteins in apoptosis-induced human salivary gland cells and human squamous carcinoma cells"Journal of Oral Pathology and Medicine. 30. 193-199 (2001)
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[Publications] Hirohiko Okamura: "Peplomycin-induced apoptosis in oral squamous carcinoma cells depends on bleomycin sensitivity"Oral Oncology. 37. 379-385 (2001)
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[Publications] Kaho Goto: "Okadaic acid stimulates apoptosis through expression of Fas receptor and Fas ligand in human squamous carcinoma cells"Oral Oncology. 38. 16-22 (2002)