2000 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌細胞株へのケモカイン遺伝子導入による抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
12671970
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩成 進吉 日本大学, 歯学部, 助手 (30168588)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 国孝 呉羽科学工業(株)生物医学研究所 探索第2チーム, 課長
小宮山 一雄 日本大学, 歯学部, 助教授 (00120452)
|
Keywords | CCケモカイン / MIP-1α / 口腔癌 / 遺伝子治療 / ヌードマウス / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
口腔癌は、高齢化社会の到来とともに、近年増加しつつある。口腔癌の治療は、従来は手術一辺倒であったが、機能回復や社会復帰など患者のクオリーテイーオブライフを考えると、外科的侵襲の少ない治療法の開発や、効果的な治療の組み合わせが望まれる。我々は、CCケモカインファミリーのメンバーとして見い出されたMIP-1αタンパクをコードする遺伝子を、ヒト扁平上皮癌細胞に導入し、口腔癌遺伝子治療の基礎的検討を行う目的で以下の実験をおこなった。 1)MIP-1α遺伝子の単離、精製、動物細胞発現様ベクターへの組み込み LPSでマウス脾細胞を刺激し、mRNAを回収、cDNAライブラリーを作製。PCRによりMIP-1α遺伝子を増幅、さらにpCR2.1ベクターに組み込み精製、シークエンスを行い確認後、さらに動物細胞発現様ベクターへ組み込みMIP-1αタンパク発現ベクターを開発した。 2)ヒト口腔扁平上皮癌への組み込み ベクターへ組み込んだMIP-1α遺伝子をさらに、ヒト扁平上皮癌細胞株HSC-2N,-3N,-4Nへそれぞれリポフェクション法により導入し、MIP-1α遺伝子発現ヒト扁平上皮癌細胞クローンを得た。今回は最も効率良く導入されたHSC-3を用いて以下の実験を行った。この細胞を用いて、MIP-1αタンパクの機能解析を行い、CD11b陽性細胞に対する遊走活性を確認し、宿主細胞生免疫を誘導することを明らかにした。 3)抗腫瘍効果の検討 ヌードマウスヘMIP-1α遺伝子発現ヒト扁平上皮癌細胞へ移植し、腫瘍抑制効果を確認した。今後は腫瘍抑制効果を増大するサイトカインなどの検討を加え、治療モデルを確立していく。
|