2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌細胞株へのケモカイン遺伝子導入による抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
12671970
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Research Institution | Nihon-University |
Principal Investigator |
岩成 進吉 日本大学, 歯学部, 助手 (30168588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 国孝 呉羽化学工業(株), 生物化学研究所・生物探求第2チーム, 課長(研究者)
小宮山 一雄 日本大学, 歯学部, 助教授 (00120452)
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Keywords | 口腔癌 / 遺伝子治療 / MIP-1α / Mac-1 / tumorigenicity |
Research Abstract |
本研究では,ヒト口腔扁平上皮癌細胞株にCCケモカインMIP-1α遺伝子を導入し腫瘍増殖抑制効果について検討した。 MIP-1α遺伝子発現ベクター作製し,口腔扁平上皮癌細胞株HSC-2,3および4に導入してMIP-1α発現癌細胞株HSC-2/MIP-1α,HSC-3/MIP-1αおよびHSC-4/MIP-1αを樹立した。このうち,ノーザンブロットによりMIP-1αmRNA高発現細胞株HSC-3/MIP-1αC7を選別した。培養上清中のMIP-1α蛋白量を測定し,MIP-1α蛋白の産生を確認した。また,培養上清中のMIP-1α蛋白量でMac-1陽性である好中球およびマクロファージが遊走活性を持つことを確認した。これより,HSC-3/MIP-1αC7が機能的なMIP-1α蛋白を産生しえると考えられた。遺伝子導入による細胞増殖能への影響はない事を確認した。HSC-3/MIP-1αC7をヌードマウスの皮下へ移植し,有意な腫瘍増殖抑制を認めた。形成された腫瘍の組織学的検討では,胞巣は崩壊して壊死組織となり,多量のMac-1陽性細胞が胞巣周囲および胞巣内に誘導されていることを確認した。 以上の結果から,MIP-1α遺伝子をヒト口腔扁平上皮癌細胞に導入し,好中球およびマクロファージを腫瘍局所へ積極的に誘導して活性化することで,有意な腫瘍増殖の抑制効果が得られることを明らかにした。 口頭発表 ・第9回日本癌病態治療研究会 口腔扁平上皮癌へのMIP-1α遺伝子導入による抗腫瘍効果の検討 ・第25回日本頭頸部腫瘍学会 CC chemokine MIP-1α遺伝子導入による口腔癌遺伝子治療の基礎的検討 ・第45回日本口腔外科学会 ・マウス肺癌細胞株へのケモカイン(MDC)遺伝子の導入 ・第48回JADR総会 口腔扁平上皮癌に対するMIP-1α遺伝子治療の検討
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