2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の発癌過程におけるテロメラーゼ活性の制御機構とその役割
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12671981
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
大関 悟 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80117077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 正資 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40320337)
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Keywords | tongue cancer / telomerase / carcinogenesis / 4-NQO |
Research Abstract |
(1)テロメラーゼ検出法の標準であるTRAP法の定量性を再検討し改良を加えた結果、定量性が大幅に改善され、活性の微小な差が検出可能となった。本研究では、化学誘発舌癌の形成過程におけるテロメラーゼ活性を測定し、in vivo発癌過程において、テロメラーゼがどの時期に活性化されるかについて検討した。テロメラーゼ活性の検出方法は従来のTRAP法を基に、RIを用いないでかつ高感度な方法を開発した。すなわちTRAP法のRIによるプラィマーの標識法をビオチン-CDP StarRによる化学発光法へ改変することでRIと同等以上の検出感度を得ることが可能となった。さらにTRAP法のプラィマーの改変・各ステップの至適化により、PCR産物の短小化、増幅効率の差、走量性が改善された。 (2)発癌実験:4-Nitroquinoline-N-oxide (4NQO)をラットに低濃度で投与(飲水中に濃度10ppmで混入し経口投与)し、化学誘発舌癌を発生させた。5ヶ月目までを観察期間とした。発癌剤投与後1、2、3週、1、2、3、4、5か月目に経時的にラットを屠殺・舌組織の肉眼的変化および病理組織学的変化の観察を行った。 結果(i)4-NQO投与のラットにおいて、標的臓器の舌に3か月目から表面の白色化、粗造化が認められ、一部の検体ではhyperplasia様の病理組織変化が認められたが、テロメラーゼ活性の上昇は認められなかった。(ii)舌では投与4か月目から腫瘍の形成が認められた。また、腫瘍形成を認めた組織でテロメラーゼ活性の上昇が認められた。(iii)テロメラーゼ活性は、健常舌と上皮過形成の間に統計学的有意さが認められた(p<0.05)。また、健常舌や上皮過形成に比較して、癌組織のテロメラーゼ活性は、有意に高値であった(P<0.01)。(iv)浸潤様式、腫瘍径とテロメラーゼ活性との相関は見られなかった。
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Research Products
(1 results)