2001 Fiscal Year Annual Research Report
下顎頭軟骨における基底膜型ヘパラン硫酸プロテオグリカンの局在意義に関する研究
Project/Area Number |
12671990
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
森田 修一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60157899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日藤 寿一 新潟大学, 歯学部・付属病院, 助手 (90313519)
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Keywords | 下顎頭軟骨 / HSPG / 成長板軟骨 / 加齢変化 |
Research Abstract |
昨年の成長期ラットの脛骨における実験結果を基に、本年度は成熟(12ヶ月齢)、老齢期(16ヶ月齢)の脛骨及び下顎頭におけるHSPGの局在を免疫組織化学的に検討した。 成熟期、老齢期において脛骨成長板は認められるが、軟骨への積極的血管進入は認められず、内軟骨性骨化はほぼ終了していた。軟骨基質全体にHSPGの局在が認められたが、成長期(1ヶ月齢)に比べるとその染色性は減少していた。軟骨細胞および細胞壁においては成長期と同様に強い染色性が認められた。この結果、成熟期の成長軟骨細胞においてもHSPGが産生されているが、成長期のような活発な細胞外基質へ放出は減少していることが示唆された。 成熟期下顎頭軟骨は既に軟骨下層において厚い皮質骨様骨と接しており、成長の場としての機能は低下していることが示唆された。関節面表層は多くの線維芽細胞様の細胞を含有した線維層で厚く覆われており、その線維層全体に非常に強いHSPGの局在が認められた。増殖、成熟細胞層においては、軟骨細胞、および細胞壁に強い染色性が認められるものの、細胞外基質においてはわずかに染色されるのみで、成長板軟骨の基質と比較しても、その染色性は非常に低いものであった。 老齢期に於いて、下顎頭軟骨表層の線維層は、関節円板との移行部では厚みを維持しているものの、関節中央部ではその厚みも、細胞数も非常に減少していた。HSPBの局在は、全層に渡って細胞、細胞壁にのみ認められ、細胞外基質中には殆ど認められなかった。 この結果、下顎頭軟骨細胞に於いてもHSPGが産生されるが、成熟期以降は細胞、細胞壁に蓄積され、細胞外基質への放出は成長板軟骨と比較してさらに低下することが示唆された。
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