2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型を用いた歯科法医学的個人識別における実用度の高い検査法の開発
Project/Area Number |
12672014
|
Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
水口 清 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00133380)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽賀 俊明 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80287185)
花岡 洋一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30180912)
|
Keywords | DYS390 locus / ミトコンドリアDNA多型 / Y染色体SNPs / ABO / HLADQA1 / VWA locus / CD4 locus / DNA多型の人種差 |
Research Abstract |
本研究は歯科法医学領域の資料において、特に高度に変性した陳旧資料からDNA多型を正確に検出できるような実用度の高位判定方法を確立していくことを目的として行われたものである。本年度に得られた結果を纏めると、(1)100人の血縁関係のない日本人男性を対象として、DYS390の塩基配列を検査し(CTGT)m(CTAT)nのm、nの数の組み合わせに違いがあることを示した。またSSCP分析でこれらの違いが識別できたため、さらに106人につき検査を行い、6型のalleleを11型に分類した。Gene Diversityは75.5%から80.8%に上昇した。(2)Y染色体上の6種のSNPについて、変性DNAからの多型検出を可能にするため、増幅サイズを150bp以下になるように条件を設定した。157例の日本人男性につきの日本人における多型分布を検査したところ、23型に分かれ、Haplotype Diversityは86%であった。(3)日本人のミトコンドリアDNAのHVI、HVII領域の多型検査を201人のデータに拡大し、ハプロタイプの比較から32のクラスターに分類した。それぞれのクラスターの出現頻度を他人種のデータと比較したところ、白人、黒人とはほとんど識別が可能で、韓国人、中国人を含めた近縁集団との識別の可能性も示唆され、人種識別に役立つことを示した。(4)常染色体上のSNP多型ABOおよびHLADQA1型と、STR多型のVWAおよびCD4型につき、変性DNAを資料として検出率の比較を行ったところ、必ずしも増幅サイズと一致した結果ではなく、検出効率には増幅領域による影響もあることが示唆された。 以上の如く本研究過程においてY染色体多型、mtDNA多型、常染色体上SNPおよびSTR多型の個人識別、人種識別、変性DNAからの検出について、新しい所見を見いだした。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Nonaka, I: "Allele frequencies and haplotypes of ten Y-specific STRs in the Japanese population"J Forensic Sci. 46. 179-182 (2001)
-
[Publications] 野中 育: "DYS390の塩基配列多型とSSCP/HD analysisによる多型検出および非ヒト霊長類との比較"DNA多型. Vol.9. 230-233 (2001)