2001 Fiscal Year Annual Research Report
X線被爆のない三次元セファログラムの開発と臨床応用
Project/Area Number |
12672015
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
葛西 一貴 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (30169396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 光明 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (80318328)
金田 隆 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (40185947)
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Keywords | MRI / 三次元解析 / セファログラム |
Research Abstract |
本年度の研究計画はMRIから、デジタルデータを出力しワークステーションに入力、さらに三次元解析ソフトを介して、画像構築を行うこと(平成12年度報告)に加え、咽頭扁桃肥大による上咽頭気道の狭窄の観察を行い、さらに最終目的のMRI画像による3次元セファログラムの開発を行うことである。その準備研究として、MRI検査における口腔内の金属による障害陰影像(以下メタルアーチファクトとする)が画像診断に及ぼす影響について検討した。MRI装置による矯正装置の磁性体アーチファクトの基礎的なファントーム実験,および異なる使用コイルを用いた臨床例の顎関節MRI撮像より,矯正装置を装着した状態で顎関節部の描出の可能性について検討し,以下の結果を得た。1)すべての矯正装置およびワイヤーは,MR画像上に0.4〜11.9cmの大きさで磁性体アーチファクトを生じた。2)矯正治療患者の顎関節のMRI検査は,使用している矯正装置の種類によって臨床的診査に耐え得る画像の撮像が可能であった。よって矯正治療中にMRI検査を行う必要がある症例では,磁性体によるメタルアーチファクトの出現を避けるためバンド付メタルブラケットおよびチューブの使用が臨床において有効であると示唆された。 また、このMRI画像による三次元表示の歯科矯正学への応用を検討するため、画像構築された画像について種々の計測を行った。とくに顔面軟組織の中で最近注目されている咽頭扁桃肥大に着目し、三次元セファログラムの臨床応用を試みた。研究結果より、咽頭扁桃の肥大は年少者群(0-9歳)においてすべてに認められた。冠状断MR撮像の咽頭扁桃占有度分類においては年少者群(0-9歳)の咽頭扁桃の肥大度が大きく、成人群(20歳以上群)では逆に咽頭扁桃の肥大度は小さかった。また咽頭扁桃の肥大が顕著な場合では鼻咽頭気道の狭窄が有意に認められた。さらにMRI画像とセファログラム画像との重ね合わせから顎顔面硬組織と軟組織の評価が可能となった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 岡野芳枝, 山城光明, 金田 隆, 葛西一貴: "矯正装置装着患者における顎関節のMRI診断 -矯正装置の種類による検討-"日本顎関節学会雑誌. 13. 85-93 (2001)