2000 Fiscal Year Annual Research Report
地域における高齢者の咀嚼能力と現在歯-補綴歯-機能歯の構成比
Project/Area Number |
12672017
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
那須 郁夫 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (80112952)
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Keywords | 高齢者 / 咀嚼能力 / 現在歯数 / 補綴歯数 / 機能歯数 / 8020運動 / 地域歯科保健 / 疫学調査 |
Research Abstract |
本研究は、加齢とともに種々の理由で脱落していく個人の歯の状態と、脱落によって喪失した歯の機能を歯科補綴によって回復する有り様を、私が発案した機能歯三角グラフ上で把握するとともに、咀嚼能力を測定してその結果も合わせて評価する試みである。研究資料には、当初予定の平成4年以来10年間継続的に実施されてきた秋田県南外村の65歳以上村民全員の健診資料に加え、本年度から開始した日本大学の高齢者全国調査の資料も用いた。 本年度研究実績:秋田県南外村の資料で、機能歯三角グラフを利用し歯の喪失と歯科補綴による咀嚼能力回復との関連について、その方法論の吟味を重ねた。平成12年7月、南外村調査にスタッフとして参加し、歯科健診と咀嚼能力測定を担当した。南外村歯種別データのコンピュータ入力(平成4、6、8、9年度分のデータ)を実施した(継続中)。日本大学高齢者全国調査データについて、機能歯三角グラフを利用した咀嚼能力解析を実施し、横浜市における、第11回日本老年歯科医学会においてその結果の一部を報告した。新たな研究地域として関西の一村を想定し、同村を訪問して歯科保健担当者に共同研究の打診を行なった(検討中)。機能歯三角グラフをよりビジュアルなものに改善するための、コンピュータグラフィックスによる検討を開始した。 研究結果(中間的報告):高齢者の咀嚼能力を評価する上で、本研究で用いたG-1ゼリーによる方法は客観性が高いことを再確認した。咀嚼能力を構成する要素として、現在歯数に補綴歯数を加えることが必要であることが確かめられた。即ち、現在歯数と補綴歯数を合計した「機能歯数」を歯科保健の指標とすることは、特に自分の歯を失っている方が多数を占める高齢者においては有効であると思考するに至った。 本研究の今後の課題:地域高齢者データと全国高齢者データとの比較。歯種別データの、機能歯三角グラフへの応用など。
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