2000 Fiscal Year Annual Research Report
マウス欠如歯成因に対するCSF-1遺伝子の役割について
Project/Area Number |
12672020
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
朝田 芳信 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (20184145)
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Keywords | ELマウス / 欠如歯 / SSLPマーカー / 連鎖解析 / 遺伝的交配実験 |
Research Abstract |
詳細なリンケージマップの作成 EL(♀)マウスとMSM(♂)マウスとの交配実験から得られたF2マウス44匹のうち3匹で欠如歯がみられた。EL(♂)マウスとMSM(♀)マウスとの交配実験から得られたF2マウス56匹のうち7匹で欠如歯がみられた。欠如歯を有する10匹のF2マウスを用い、SSLPマーカーであるMITプライマーを全染色体上に設定し、Polymerase chain reaction(PCR)から判定した遺伝子型と表現型(欠如歯を有すること)との詳細な連鎖解析から欠如歯成因に関与する遺伝子が染色体3番上のD3Mit141(動原体より33.9cM)からD3Mit17(動原体より50.3cM)の領域に存在する可能性が示唆された。さらに、N2backcrossマウス(EL♀×MSM♂×EL♀)64匹のうち7匹に欠如歯がみられたことから、欠如歯を有する7匹のN2マウスの遺伝子型タイピングを行ったところ、染色体3番上のD3Mit216(動原体より41.5cM)からD3Mit290(動原体より44.8cM)の領域に候補遺伝子が存在する可能性が強く示唆された。この領域にはColony-stimulating factor 1(CSF-1)遺伝子およびLymphoid enhancer-binding factor 1(Lef1)遺伝子が存在する。2つの遺伝子は歯の形態形成過程での発現がすでに報告されており、歯胚の発育の初期に何らかの影響をおよぼすことが考えられる。 F2およびN2マウスを用いた詳細な連鎖解析結果より、ELマウスにおける第三臼歯の欠如に対しCSF-1およびLef1遺伝子が候補遺伝子となり得る可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)