Research Abstract |
本年度は,看護・介護のための口腔保健プログラム作成に必要な基礎データとなる口腔保健状況,口腔環境の診査および,口腔保健管理を行っていくにあたって必要と思われる身体状況に関する調査を実施した。調査対象は障害児(者)施設に入所している120名および当施設において医療,療育ならびに機能訓練のために通院・通所している在宅障害児(者)58名の計178名である(平成13年2月末現在)。口腔診査は被検者を視診型診査法にて実施し,歯牙の状況については健全歯,処置歯,未処置歯,喪失歯別に診査した。なお,う蝕検出基準はWHOの基準にしたがって行った。歯周疾患にってはPMA IndexとGingival Index(GI)で,歯口清掃状況につてはOral Hygiene Index-Symplifide(OHI-S)とPlaque Index(PlI)で評価した。また,歯垢染め出しが可能な対象者に対してはPlaque Scoring System(PSS)を用いた前歯部頬舌側の歯垢付着状況評価も実施した。その他の口腔諸状況としては,軟組織疾患の有無,咬合状態,舌苔の付着状況,口蓋および口腔前庭部の汚れの有無,頬部・口唇の緊張の有無,舌の動き,開口状態維持の状態,口腔・口唇の乾燥状態について診査し,さらに抑制の困難度,首の安定性,体位の状態,嘔吐反射の有無,移動の状態についても調査した。そしてこれら診査項目を総合的に判断して,被検者とのコミュニケーションの困難性,口腔保健管理の難易度について評価した。また,口腔内環境を評価するため,施設ならびに保護者より唾液検査を実施することの同意の得られた在宅障害児(者)に対しては,歯垢中細菌の酸産生能(カリオスタット),唾液中S.mutans量(Dentcult SM),唾液中緩衝能(Dentcult Buf)を調べた。現在も継続してこれら各項目についてのデータの収集しており,すでに対象者に対しての口腔保健指導・管理を継続して実施し,逐次口腔診査を行って口腔保健管理の効果につて評価を行っている。
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