2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病におけるEPレセプターの役割解析とその歯周病治療への応用に関する研究
Project/Area Number |
12672029
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Research Institution | Tokyo Medical & Dental University |
Principal Investigator |
野口 和行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90218298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 誠 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90193937)
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Keywords | 歯根膜細胞 / prostaglandin E_2 / EPレセプター / IL-1α / IL-6 / cAMP |
Research Abstract |
炎症歯肉組織中には、prostaglandin(PG)E_2などのPGの産生の亢進が報告され、またPG合成阻害剤である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は歯周病の進行を抑制することが示され、PGが歯周病の病因に関与していると考えられている。我々は、ヒト歯根膜細胞におけるPGE_2レセプターの役割について検討した。IL-1α刺激によってIL-6およびPGE_2の産生が生じた。IL-1α刺激によって産生される内因性のPG産生を抑制するためにインドメタシン処理を行ったところ、IL-1α刺激誘導1L-6産生の亢進が認められた。外因性にPGE_2を添加した場合には濃度依存性にIL-6産生を抑制した。このことから、PGE_2がIL-1α刺激誘導IL-6産生を抑制していることが示唆された。次にPGE_2によるIL-1α刺激歯根膜細胞のIL-6産生の抑制に、どのEPレセプターが関与しているかを解析した。EP_2/EP_4アゴニストである11-deoxy-PGE_1およびEP_2アゴニストであるbutaprostにより濃度依存性にICAM-1発現が抑制された。EP_1アゴニストである17-phenyl trinor PGE_2およびEP_3アゴニストであるONO-AP324は有意な影響を与えなかった。RT-PCR法によってEPレセプターの発現を調べたところ、EP_2及びEP_4mRNA発現が確認された。cAMPアナログであるdubtylyl cAMP添加によりIL-1α刺激誘導1L-6産生が有意に抑制された。以上のことから、ヒト歯根膜細胞はIL-1α刺激によりPGE_2を産生し、そのPGE_2はEP_2/EP_4レセプターを介してcAMP依存性にIL-6産生を調節していると思われた。EP_2あるいはEP_4レセプターは抗炎症的に作用する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Noguchi: "Involvement of cyclooxygenase-2 in serum-induced prostaglandin production by human oral gingival epithelial cells"J. Periodont. Res. 36(2). 124-130 (2001)
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[Publications] K.Noguchi: "Prostaglandin F_2α upregulates matrix metalloproteinase-1 production in human gingival firoblasts"J Periodont Res. 36(5). 334-339 (2001)
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[Publications] K.Noguchi: "Binary regulation of interleukin (IL)-6 production by EP. and EP_2/EP_4 subtypes of PGE_2 in IL-1β-stimulated humangingival fibroblasts"J Periodont Res. 37(1). 29-36 (2002)