2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化を指標とする骨内埋入用生体材料表面構造の定量的評価
Project/Area Number |
12672030
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
益田 高行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90251537)
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Keywords | 生体材料 / 形質発現 / 表面構造 / クローニング / 骨シアルタンパク / オステオカルシン / トランスフェクション / in vitro |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に沿って、ラットの骨シアルタンパク、オステオカルシンについてそれぞれをPCR法を用いてクローニングすることができた。 これらの、DNAフラグメントを、ベクターp-βgal Basicにより、ラットオステオザルコーマ由来の細胞株ROS17/2.8にトランスフェクションし、形質発現が生じるかどうかをまず検討した。 トランジェントトランスフェクション法により、β-ガラクトシダーゼ活性として形質発現が確認されたので、さらに安定的な形質発現をする細胞株の確立を試みることとした。 能率の高いリポゾームを用いたトランスフェクションを行うとともに、その際薬剤(G418)耐性遺伝子をコ・トランスフェクションし、得られた細胞をプレート上において疎な状態で培養し、骨シアルタンパク、オステオカルシンのそれぞれについて30のクローンをコロニーピッキングにより得た。さらに、各クローンを選択培地で継代培養し、G418薬剤への耐性とともに、β-ガラクトシダーゼ活性を指標に、クローンから安定的形質発現をしているものの選択を試みた。その結果、それぞれについて安定形質発現株が得られた。現在プラスティックプレート上で培養し、形態的観察と形質発現の観点から、今後行う生体材料評価に最適な培地の組成を検討している。さらに、光学顕微鏡による直接観察の行いにくい生体材料上での形態観察を行うべく、走査型プローブ顕微鏡による観察法を検討中である。 本年度の実績を踏まえ、来年度はさらにアルカリフォスファターゼとオステオポンティンについてクローニングを継続するとともに、すでに得られた安定形質発現株を用いて、生体材料の評価とくに表面構造についての評価を行っていく予定である。
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