2001 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛複合錯体を用いる高選択的脱プロトン化反応の開発
Project/Area Number |
12672047
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
根東 義則 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90162122)
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Keywords | 亜鉛アート錯体 / 脱プロトン化反応 / 水素-亜鉛交換反応 / 芳香族化合物 / 含窒素芳香複素環・ / α-メタル化 / レジオ選択性 / 炭素-炭素結合生成 |
Research Abstract |
ベンゼン環上においてLTMPとジt-ブチル亜鉛から容易に調製されるTMP-zincateを用いる官能基選択的な水素-メタル交換反応が円滑に進行することが、平成12年度の研究により明らかとなったので、平成13年度においては含窒素芳香へテロ環上においてその適用範囲を明らかにすることとした。ピリジン環においては、α選択的な水素-亜鉛交換が可能であり、特に2-ブロモピリジンの反応については、従来のリチオ化反応が3位に進行するのに対し、この亜鉛化反応が6位選択的に進行することを見出した。この際、リチオ化において知られるベンザインの生成は認められず、芳香族亜鉛アート錯体の特徴的な性質と考えられる。またエステル基あるいはシアノ基のような新電子性の官能基の隣接位もベンゼン環と同様に化学選択的に亜鉛化を行うことが可能であることが明らかとなった。特にヨード化反応は、従来の手法では多段階を要する化合物の合成が一工程で達成され、合成化学的にも実用性の高い反応と考えられる。この際これらの官能基の支配が強いため、反応はα位ではなく、3位あるいは4位に進行した。また、メトキシ体についても従来のリチオ化反応とは異なるレジオ選択性が観測された。またピリジニル亜鉛アート錯体はパラジウム触媒存在下ハロ芳香族化合物とのカップリング反応が進行し、ヘテロビアリール誘導体の合成にも用いることができる。リチオ化の困難なイソキノリンの1位の亜鉛化も円滑に進行し、またキノリンの反応においてはα以外に8位に亜鉛化が進行するという興味深い結果も得られている。高分子担体上に固定化した基質の水素-亜鉛交換反応を検討し、収率にまだ改善の余地はあるものの固相の亜鉛化も可能であることが示された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Imahori, M.Uchiyama, T.Sakamoto, Y.Kondo: "Regiocontrolled deprotonative-zincation of bromopyridines using aminozincates"Chem. Comm.. 2450-2451 (2001)