2001 Fiscal Year Annual Research Report
G―タンパク連結型レセプターアンタゴニストMartinelline類の全合成
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12672048
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
原 脩 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (40222228)
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Keywords | Martinelline / Martinellic acid / 位置選択的クロチル化反応 / Michael-Aldol反応 / 9-PBN |
Research Abstract |
昨年度はシリル基を足がかりとする分子内閉環メタセシス反応を利用しヒドロキシアントラニル酸より、Martinelline類の基本骨格となるピロロキノリン環の構築法の検討を行った。しかしこの合成法では収率の改善は見られるものの工程数の改善にはいたっていないのが現状で、しかも煩雑な操作を必要とするため全合成には不向きな面もあった。そこでより直接的かつ短工程で合成可能な位置選択的クロチル化反応を検討した。この反応に際しまずアセトキシクロチルスタナンの合成方法を検討し、大量合成が可能であることを確認した。位置選択的なクロチル化反応は四塩化スズをルイス酸として使用し、5分間アセトキシクロチルスタナンを処理した後アルデヒド体を加えることで従来5工程を要していたところを一挙に1工程で目的とする分子内アリル位置換反応の基質を合成することに成功した。これを用いて光学活性ホスフィン配位子9-PBNによる分子内不斉アリル位置換反応を行い、収率42%、60%eeで目的物を得ることができることを確認した。得られたテトラヒドロキノリン環3位への側鎖導入は、Mannich反応、続くニトリル基の立体選択的な1,4-付加反応により達成された。次にRanay-Niを用いるシアノ基の還元、続くアミンの分子内還元的アルキル化により立体選択的なピロロキノリン環の構築に成功した。テトラヒドロキノリン環2位側鎖延長については昨年度ヒドロホウ素化反応等によりその方法論を確立している。分子内アリル位置換反応での合成ルートは確立できこれによりMartinellineの合成が達成できると考えている。これとは別により効率的な合成法の開発ということで新たにMichael-Aldol反応によるテトラヒドロキノリン環の構築を検討もあわせて進めた。テトラヒドロキノリン環2位の側鎖をあらかじめ導入した基質を用いることで先のルートを大幅に改善でき、しかもその反応は相間移動触媒が使用可能で効率の良い反応であった。この方法を先のルートに一致させることでラセミ体ではあるが、必要な官能基がそろったMartinelline前駆体の合成が達成できた。また、このMichael-Aldol反応によりテトラヒドロキノリン環の一般的合成法が確立することができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 濱田康正, 国宗壱与, 原脩: "Asymmetric Synthesis of Tetrahydroquinoline Derivative, a Building Block of Martinellines, via Intramolecular Allylic Amination using 9-PBN"Heterocycles. 56巻. 97-100 (2002)