2001 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性フラン融合多環系天然物およびその誘導体の合成研究
Project/Area Number |
12672049
|
Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
根本 英雄 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (60006351)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊岡 尚樹 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (10217565)
|
Keywords | 多環系天然物 / ベンゾシクロブテン / 分子内環化付加反応 / ジヒドロフラン / 四環系化合物 / Sendaiウイルス / 抗ウイルス活性 / アマンタジン |
Research Abstract |
天然にはフラン環が融合した多環系天然物が存在しており、それらの多くが顕著な生物活性を示すことが報告されている。従ってこれら天然物の合成研究が活発に展開されつつある。しかしながら、すでに報告されている全合成あるいは合成研究では、多段階の工程を要し必ずしも満足のいくものではない。そこで、著者らは、全く斬新な合成戦略としてベンゾシクロブテンから熱により容易に発生可能なオルトキノジメタンのフランとの分子内環化付加反応をキーステップとした短工程かつ高効率的な合成研究を企画し実行した結果、極めて高立体選択的にジヒドロフラン融合四環系化合物を合成出来ることを見いだした。さらに、このジヒドロフラン融合四環系化合物は、Sendaiウイルスに対して抗ウイルス活性を示すことが明らかとなった。そこで、本反応を機軸として、様々の誘導体合成を行うために、反応基質をデザインし鍵反応である環化付加反応に付し、20種を超える誘導体を合成することができた。合成した各種誘導体についてSendaiウイルスに対する抗ウイルス活性を詳細に検討したところ、顕著な抗ウイルス活性を示す化合物があることが判明した。上記誘導体の生物活性試験の結果、この抗ウイルス活性発現には抗ウイルス剤として知られているアマンタジン様のカゴ型構造が必須であることが示唆された。さらに、光学異性体間での構造-活性相関を精査するべく本法を光学活性体合成にも適用し、両対掌体合成へと応用した。 得られた光学活性体の両対掌体を用いて再びSendaiウイルスに対する抗ウイルス活性を調べた結果、光学異性体間で活性の違いが生じ、本化合物の抗ウイルス活性発現には、絶対配置が密接に関わっていることも明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Miyata, J., Nemoto, H., Ihara, M.: "Asymmetric Synthesis of 4-Deoxyverrucarol via Two Types of Ring Expansion Reactions"J. Org. Chem.. 65. 504-512 (2000)
-
[Publications] Yoshida, M., Abdel-Hamid Ismail M, , Nemoto, H., Ihara, M.: "Asymmetric total synthesis of (+)-equilenin utilizing two types of cascade ring expansion reactions of small ring systems"J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1. 2629-2635 (2000)
-
[Publications] Hamada, H., Tanaka, T., Furuta, T., Takahata, H., Nemoto, H.: "Hydroxylation of benzylic and allylic sites by plant cultured suspension cells"Tetrahedron Lett.. 42. 909-911 (2001)
-
[Publications] Toyooka, N., Nagaoka, M., Kakuda, H., Nemoto, H.: "Rapid Access to the Potential Intermediate for the Synthesis of Halenaquinol and Halenaquinone"Synlett. 1123-1124 (2001)