2001 Fiscal Year Annual Research Report
C_2対称α,α'位二置換アザシクロアルカン型キラル素子の創製とその活用
Project/Area Number |
12672050
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高畑 廣紀 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (00109109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 秀一 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (30275606)
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Keywords | 二重不斉アリルホウ素化 / C_2対称型キラル素子 / アルカロイド / 不斉合成 / ピペリジン / ピロリジン |
Research Abstract |
C_2対称なキラル体は近年不斉補助基やキラル合成素子として重要な化合物群であることは十分に認識されている.前年度に二官能性基質であるグルタルアルデヒドに対し,二重不斉アリルホウ素化(AAB)を行うことで得られるC_2対称ジオールからC_2対称2,6位ジアリルピペリジン型キラル合成素子を創製した.さらにこのキラル素子からピペリジン関連アルカロイドの不斉合成に成功した.今年度はさらにC_2対称性の高い大環状アルカロイドである(-)-lythrandineの合成を検討した.その結果有用な合成中間体である2,6位にエポキシド基を有するC_2対称ピペリジン体の合成に成功した.この合成の際,従来N-ベンジル体でC_2対称ピペリジン体とメソ体の分離を行っていたが一工程先のウレタン型で分離を行う方が容易であると判明した. 次に,C_2対称2,6位ジアリルピロリジン型キラル合成素子の創製を検討した.サクシニルアルデヒドに対して二重AABを行いC_2対称ジオールに導き最終的にN-ベンジルC_2対称2,6位ジアリルピロリジン体を得ることができた.このピロリジン型キラル素子のウレタン型に変換する際,ピペリジン型と違い環が小さいため環開裂が優先してしまうことが判明した.現在別ルートのよるウレタン型への変換を検討中であり,これらからピロリジン型生物活性アルカロイドの不斉合成を行う予定である. 以上,今年度はC_2対称2,6位ジアリルピペリジン型キラル合成素子の有用性の実証とあらたにC_2対称2,6位ジアリルピロリジン型キラル素子を創製することができた。
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