2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規酵素免疫測定法による硫酸抱合型ニューロステロイド分析法の開発
Project/Area Number |
12672086
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
島田 和武 金沢大学, 薬学部, 教授 (90004605)
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Keywords | 神経ステロイド / pregnenolone 3-sulfate / 酵素免疫測定法 / ラット脳 / 低値 / 血中 / 脳内移行 |
Research Abstract |
21世紀は脳科学の時代であり,脳内物質として注目されているものに神経ステロイド(ニューロステロイド)がある.そのなかでもdehydroepiandrosterone 3-sulfateやpregnenolone 3-sulfateなどの硫酸抱合型ニューロステロイドが第4世代の神経伝達物質として多大な関心が寄せられている.しかし,申請者らは,LC/MSによるこれらの分析法を開発し実試料へ適用したところ,いずれの抱合体の存在量もLC/MSの検出下限以下であり,従来の文献値より遥かに低値(1/20以下)を示すことから,本法では測定困難なことが判明した.そこで,1昨年度はdehydroepiandrosterone 3-sulfateの超高感度で高選択的な新規酵素免疫測定法(ELISA)を開発し,やはり低濃度でしか存在しないことを明らかとした.さらに昨年度は抗pregnenolone 3-sulfate抗体を作製し,ブリッジヘテロロガス系,遅延添加法を駆使して高感度,高選択的なELISAを開発した.今年度は本法をラット脳(部位別)へ適用し以下のような成果を得た. すなわち,ラット脳を各部位別に分画し超音波処理,抽出処理後ELISAに付したが,いずれの部位のそれも低濃度であった.因みに血中のそれを本法で測定すると,脳内のそれよりやや高値であった.また,pregnenolone 3-sulfateをip投与後測定した場合には脳内のそれも上昇していた.以上の結果を総合すると,本物質は血流に乗って脳内に運ばれているものと考えられ,脳内で独自に生合成されて蓄積すると定義されているニューロステロイドとしては疑問の残る結果を示した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kuniko Mitamura: "Determination of estrogens in rat brains using gas chromatography/mass spectrometry/mass spectrornetry"Chromatography. 23(2). 65-71 (2002)
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[Publications] Tatsuya Higashi: "Studies on neurosteroids XV. Development of enzyme-linked imuunosorbent assay for examining whether pregnenolone sulfate is a veritable neurosteroids"Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis. 30(6). 1907-1917 (2002)