2000 Fiscal Year Annual Research Report
PolyamineとZ-DNAの相互作用に関する分子動力学的およびX線構造研究
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12672097
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
大石 宏文 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (00211095)
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Keywords | Z-DNA / スーパーコイル / ポリアミン / マイナーグルーブ / Molecular Dynamics / X-線結晶構造解析 / B-Z転移 / 発癌機構 |
Research Abstract |
DNAからt-RNAへの転写はベクターのリラックス状態に非常に依存していることがわかっている。スーパーコイル状態ではベクターの転写は起こらないことがわかっている。スーパーコイルをリラックスさせるのにはZ-DNAが大きな役割を果たしている。さらにZ-DNAは周囲の金属イオン濃度、金属イオンの種類、ポリアミン濃度、ポリアミンの種類に依存する。私たちは7種類のポリアミンを塩にしd(CG)_3と複合体の結晶化を行いすべての結晶化に成功しすべて1.0Å以上の非常に高い分解能のデータを得ることができた。その結果N^1-{2-[2-(2-Amino-ethylamino)-ethylamino]-ethyl}-ethane-1,2-diamineというポリアミンが左巻きZ-DNAd(CG)_3を安定化することを発見し、このポリアミンとd(CG)_3複合体結晶のX-線結晶構造解析で常温では非常に珍しくZ-DNAのマイナーグルーブにこのポリアミンがきっちりと入りZ-DNAを安定化していることがわかった。さらに私たちはd(CG)_6という、これまでには世界で成功例のない長鎖のZ-DNAの結晶化に成功し平成13年度6月までにSPring-8でデータ測定をし世界で最長のZ-DNAのX-線結晶構造解析を行う予定である。さらにスーパーコイルをリラックスさせるにはスーパーコイルにZ-DNAを導入する必要がある。そこでB-Z転移の状態を私たちはX-線結晶構造解析によって明らかにしようとしている。そのためd(CGCGCGAATTCGCGCG)にZ-DNAを安定化する、私たちが発見したポリアミンと複合体で結晶を作成しB-DNAとZ-DNAが結合したDNAの結晶の作成を行っており、これに関してはMolecular Dynamics計算に成功したがX-線結晶構造解析に成功すればB-Z転移点を世界で初めて明らかにする非常に大きな仕事になる。これは発癌機構に何らかの示唆を与える成果に発展することが期待される.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naoyoshi Maezaki: "C2-Symmetric Bis-sulfoxide : A Novel Chiral Auxiliar for Asymmetric Desymmetrization of Cyclic meso-1,2-Diols"The Jounal of Organic Chemistry. 65,11. 3284-3291 (2000)
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[Publications] Ken-ichi Tomita: "Molecular Structure and Mutual Recognition Between Host and Guest Molecules Found in the Crystal Structures of Oxacalix [4] arenas Complexed with Xylene Isomers"Jounal of Inclusion Phenomena and Macrocyclic Chemistry. 37. 341-357 (2000)