2000 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光共鳴エネルギー移動を利用する生理活性物質の超高感度計測法の創製
Project/Area Number |
12672100
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
能田 均 福岡大学, 薬学部, 助教授 (20164668)
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Keywords | 蛍光分析 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 蛍光誘導体化 / インドールアミン / カテコールアミン |
Research Abstract |
【概要】本研究の目的は,近接蛍光分子間に起こる蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を、生理活性物質の蛍光分析に適用することである。本年度は、試料に自然蛍光を有するインドールアミン及びカテコールアミンを用い、それらのアミノ基に対して各種蛍光誘導体化を行い、前者(生理活性アミンの発蛍光部分)をドナー、後者(蛍光誘導体の発蛍光部分)をアクセプターとしてFRET検出の有用性を検証した。12種の市販アミン用蛍光誘導体化試薬を用いて最も有用な試薬をスクリーニングし,それを用いて反応,HPLC分離,FRET検出条件の最適化を行なった。 【方法】検討した誘導体化試薬:o-Phthalaldehyde(OPA)、DNS-Cl、Fluorescamine、Pyrenebutyryl chloride、FITC、他7種。HPLC条件:カラム,YMC-Pack C18(250×4.6mmi.d.,5μm);流速,1.0mL/min;蛍光検出,Ex.280nm(自然蛍光励起波長、Em.各種誘導体での発光波長または3D検出(305-650nm)。 【結果】OPA及びDNS-Clで誘導体化した場合に明確なFRETが観測され,FRETによる低分子生理活性物質の蛍光分析の原理確認ができた。特にOPAでは、通常励起波長(340nm)での検出と比較して上記アミン類の蛍光強度は約1.5倍となり、試薬、水、環境に混在するアミン由来と考えられるピーク及びバックグラウンドノイズは大幅に低減した。FRET検出することにより、約10倍の感度上昇が可能で、かつ生体試料に適用した場合の選択性の向上も期待できる。引き続き,(1)本法の生体試料への適応及び(2)蛍光を持たない生理活性物質への2種類の蛍光誘導体化によるFRET検出を検討している。
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