2001 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光共鳴エネルギー移動を利用する生理活性物質の超高感度計測法の創製
Project/Area Number |
12672100
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
能田 均 福岡大学, 薬学部, 助教授 (20164668)
|
Keywords | 蛍光分析 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 蛍光誘導体化 / インドールアミン / カテコールアミン |
Research Abstract |
目的:平成12年度に開発したインドールアミン類及びカテコールアミン類の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)検出HPLCの有用性を実証するために、ヒト尿試料に適用する。 実験:ヒト尿をメタノールで10倍稀釈し、遠心分離後、その上清100μLを試料とする。試料に、0.2mol/L 2-メルカプトエタノール(ホウ酸塩緩衝液、pH9.5)溶液100μL及び10mmol/Lo-フタルアルデヒド(OPA;メタノール)溶液100μLを順次加えて、室温で10分間放置する。これに1mol/L酢酸25μLを加えた後、HPLCに注入する。 結果・考察:上記のように極めて簡便な前処理で、ヒト尿中インドールアミンの定量に適用可能であった。従来の検出法(OPA誘導体固有波長での検出)では定量が困難であったトリプトファン、セロトニン及びトリプタミンがFRET検出により定量可能となった。検出限界は、HPLC注入量あたり10-70fmolで従来法に較べて2〜5倍高感度化されている。更に、尿中に共存する多種アミン類の夾雑ピークは小さくなり、かつストークスシフトの延長による背景光の減少と併せて高感度化と高選択性が達成されたものと考えられる。カテコールアミンについても同様の前処理・誘導体化により尿中のドーパミン及びノルアドレナリンの検出が可能となった。カテコールアミン類の検出限界はHPLC注入量あたり30-90fmolで,インドールアミン同様に従来法に較べて2〜3倍高感度化されている。 以上,開発した蛍光誘導体化-FRET検出法は新規な方法論であり,上記生理活性アミンの高感度高選択的分析法として極めて有用であることを確認した。
|