2000 Fiscal Year Annual Research Report
放射線曝露ヒト造血細胞の血球産生機能回復を促進する至適サイトカインの作用
Project/Area Number |
12672115
|
Research Institution | Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy |
Principal Investigator |
柏倉 幾郎 北海道薬科大学, 薬学部, 講師 (00177370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 美穂 北海道薬科大学, 薬学部, 助手 (00182105)
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
高橋 恒夫 東京大学, 医科学研究所・細胞プロセッシング研究部門, 教授 (50291307)
高木 良成 北海道薬科大学, 薬学部, 教授 (70094852)
|
Keywords | 造血幹細胞 / 巨核球前駆細胞 / 放射線感受性 / thrombopoietin / サイトカイン / 臍帯血 / 末梢血 |
Research Abstract |
研究課題「放射線曝露ヒト造血細胞の血球産生機能回復を促進する至適サイトカインの作用」の平成12年度における研究の結果、以下の点が明らかになった. 1.ヒト臍帯血及び末梢血に含まれるCD34陽性巨核球前駆細胞megakaryocyte colony-forming units(CFU-Meg)は,他のmyeloid系前駆細胞である赤血球前駆細胞(BFU-E),白血球前駆細胞(CFU-GM),混合コロニー形成細胞(CFU-Mix/CFU-GEMM)に比べ放射線感受性が高い. 2.ヒト臍帯血CFU-Megのうち,大型の巨核球コロニーを形成する未熟なCFU-Megは,分化が進んだ成熟CFU-Megに比べより放射線感受性が高い. 3.放射線に曝露された臍帯血CFU-Megに対し,thrombopoietin(TPO),interleukin-3(IL-3)及びstem cell factor(SCF)の組合せが最も強い放射線障害軽減・修復作用を示した. 4.TPOとSCFの併用による放射線照射ヒト臍帯血CD34陽性CFU-Megの障害軽減作用は,細胞内ERKを活性化し,カスパーゼー3に依存するアポトーシスを抑制する事に起因していることが示唆された. 5.カスパーゼカスケードを阻害する事で,照射CD34陽性CFU-Meg増殖を有意に回復させた.特にカスパーゼー8,9,とカスケードの上流での阻害が有効である事が示唆された. 6.ヒト末梢血CFU-Megはその多くが成熟CFU-Megであるが,末梢血CFU-Megは臍帯血CFU-Megに比べ放射線感受性が高い. 7.放射線に曝露された末梢血CFU-Megに対し,TPOとIL-3の組合せが最も強い放射線障害軽減・修復作用を示した.
|
Research Products
(1 results)